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診療科

胃癌



胃癌

最新の胃癌取扱い規約および胃癌治療ガイドラインに従い治療方針を決定しています。病期の他に、腫瘍の大きさ・部位・拡がり、患者さんの全身状態や患者さんの希望など様々な要素を考慮して、適切な治療方針を決定いたします。内視鏡的粘膜下層剥離術(ESD)の適応がある場合、当院では消化器内科で治療を行います。すべての病期(早期・進行・高度進行)でそれぞれの症例に適した治療を行っています。手術は腹腔鏡手術、縮小手術、定型的手術、拡大手術を行なっています。手術のみではなく、術後の補助化学療法や転移再発症例の化学療法(抗がん剤、分子標的治療薬、免疫チェックポイント阻害薬)等も行っています。
胃癌取扱い規約による腫瘍の深達度(T)、大きさ、リンパ節転移(N)、遠隔転移(M)から定義する進行度分類や、胃癌治療ガイドラインによる治療のアルゴリズムは、以下に示します。

T:腫瘍の深達度(深さ)

T1a 癌が粘膜層にとどまるもの
T1b 癌の浸潤が粘膜下層にとどまるもの
T2 癌が筋層に入り込んでいるもの
T3 癌が筋層を越えているが、漿膜下層にとどまるもの
T4a 癌が漿膜を越えて胃の表面に出ているもの
T4b 癌が胃と隣接する他の臓器にも浸潤しているもの

N:リンパ節転移の程度

N0 領域リンパ節に転移を認めない
N1 領域リンパ節に1〜2個の転移を認める
N2 領域リンパ節に3〜6個の転移を認める
N3a 領域リンパ節に7〜15個の転移を認める
N3b 領域リンパ節に16個以上の転移を認める

M:遠隔転移

M0 領域リンパ節以外の転移を認めない
N1 領域リンパ節に1〜2個の転移を認める
(胃癌取扱い規約第15版、2017年10月、金原出版より作成)

進行度分類(Stage)

臨床分類(cStage)

N0 N1、N2、N3
T1、T2 I IIA
T3、T4a IIB III
T4b IVA
T/NにかかわらずM1 IVB

病理分類(pStage)

N0 N1 N2 N3a N3b T/NにかかわらずM1
T1a、T1b IA IB IIA IIB IIIB IV
T2 IB IIA IIB IIIA IIIB
T3 IIA IIB IIIA IIIB IIIC
T4a IIB IIIA IIIA IIIB IIIC
T4b IIIA IIIB IIIB IIIC IIIC
T/NにかかわらずM1 IV
(胃癌取扱い規約第15版、2017年10月、金原出版より作成)

日常診療で推奨される治療法選択のアルゴリズム

*審査腹腔鏡の適応についてはCQ9を参照
**腹腔鏡下手術の適応についてはCQ1、CQ2を参照
***胃周囲や大網の表面などに少数個存在する結節で、胃切除の際に容易に切除可能なもの

手術後

日常診療で推奨される治療法選択のアルゴリズム

ただし、T/N/MおよびStageの定義は、「胃癌取扱い規約第15版」(「TNM分類第8版」)による。
(参考文献:日本胃癌学会編:胃癌治療ガイドライン(医師用2021年7月改訂 第6版)金原出版)

腹腔鏡手術

腹腔鏡手術は、以前の大きく開腹する手術と比較すると、患者さんの術後経過での苦痛が少なく、術後在院日数も短く、患者さんの体に優しい手術と言えます。
腹腔鏡手術の適応は、基本的にガイドラインに準じて決定をしています。対象となるのはStageI胃癌と胃粘膜下腫瘍(GIST含む)や他の良性腫瘍ですが、適応は徐々に拡大傾向にあります。患者さんの希望になるべく沿える手術方法を考慮・提案いたします。

審査腹腔鏡(腹腔鏡検査)

遠隔転移や腹膜転移がみられるような高度に進行している胃癌症例は、まず化学療法を行います。これらの転移は画像検査だけでは診断できないことがあり、お腹の中を観察する必要があります。これまではお腹を開けて観察しておりましたが、現在は腹腔鏡で観察する(審査腹腔鏡)ことができます。極力小さな傷で身体への負担を少なくして、速やかに化学療法を導入することができます。

治療成績

胃癌 切除530例 全生存率(2008-2017年)
  • 3年生存率:83.5%
  • 5年生存率:78.3%