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皮膚科


皮膚科の紹介

皮膚は「内臓の鏡」と言われる人体のうちで最大の臓器です。皮膚の役割は、細胞から水分蒸発を防ぐ傘と、外力や外敵から身を守る鎧の役割があります。皮膚の構成成分は、血管、触覚、痛覚、温覚に関する神経、汗や脂質の分泌腺、皮膚を構成する表皮細胞、真皮を構成する膠原線維や弾性線維、毛や毛髪を作る組織、立毛筋、皮膚を循環する免疫細胞など様々です。これらは互いに連携して、皮膚の機能を正常に保つ様に働いていますが、同時に皮膚の内側の臓器とも血管内に流れる様々な物質や神経を介してつながっています。皮膚に直接影響を与える障害のみならず、内臓の不調を介しても、皮膚に異常が生じ、様々な不具合が生まれてきます。例えば、寝不足になると化粧ののりが悪くなることを例に挙げてみます。これは、女性のよく経験することでしょう。ストレスがかかるとホルモンの分泌が悪くなり、細胞間脂質の生成がうまくできないために、皮膚にしっとり感がなくなるのです。皮膚の異常から、その原因を見つけだし、治すのが皮膚科医の仕事です。皮膚科は皮膚だけでなく、爪、毛髪や、口腔内、陰部、肛門周囲など道具を使わないで視診(見ること)が可能な部位の疾患すべてが対象となります。

皮膚科部長の紹介

皮膚科部長 橋爪秀夫

浜松医科大学附属病院皮膚科准教授を務めた他、静岡県立総合病院、沼津市立病院、市立島田市民病院など県内基幹病院の科長・部長として30年以上勤務し、多くの臨床経験を重ねてきました。臨床のかたわら、英文専門雑誌に掲載されるよう、現在でも薬疹やアレルギーの研究をしています。アレルギーのエキスパートとして、アレルギーに関する国際雑誌で最も権威あるJournal of Allergy and Clinical Immunologyを含む多くの皮膚科国際雑誌の査読(論文に掲載を第三者の立場で評価すること)を頼まれるようになりました。日本皮膚科学会、日本皮膚免疫アレルギー学会、日本アレルギー学会など主要な学会において教育講演やシンポジウムで講師を務め、後進の教育にも力を入れています。一般的な皮膚疾患のみならず、難治性疾患や稀少疾患の治療も行なっています。地道な努力が実り、ベストドクターズ社*による2018-2019年、2020-2021年The Best Doctors in Japanに選ばれました。

*ベストドクターズ社とは、アメリカに本社を置き、適切な治療やセカンドオピニオンの相談医師紹介などのサービスを行っている会社です。"The Best Doctors in Japan"とは、医師に対して「自身または家族の治療を、自分以外の誰に委ねるか」という質問を行い、同じ専門分野の他の医師の評価をアンケートすることで進められ、最終的に調査結果から一定以上の評価を得た医師のみが"Best Doctors in Japan"として認定されます。現在、世界でベストドクターとして認定されている医師が約53,000名。そのうち約6,500名(2020年3月現在)が日本の医師です。

対象となる皮膚科疾患のいろいろ

当皮膚科は、アトピー性皮膚炎や薬疹など皮膚アレルギー疾患や皮膚の免疫異常にもとづく疾患を専門分野としています。また、稀少疾患に数えられる皮膚リンパ腫についても多くの臨床経験を重ねています。

  • 湿疹・皮膚炎:アトピー性皮膚炎、脂漏性湿疹、貨幣状湿疹、手湿疹、汗疱状湿疹など


  • 角化症:尋常性乾癬、関節症性乾癬、乾癬性紅皮症、掌蹠膿疱症、SAPHO症候群、毛孔性紅色粃糠疹、類乾癬、太藤病など


  • 自己免疫疾患:円形脱毛症、尋常性白斑、扁平苔癬、全身性エリテマトーデス、シェーグレン症候群、強皮症、皮膚筋炎、ベーチェット病、成人スティル病、IgA血管炎、ANCA関連血管炎、RS3PE症候群、再発性多発軟骨炎、壊疽性膿皮症、結節性多発動脈炎、好酸球性多発血管炎性肉芽腫症、遺伝性血管浮腫、IgG4関連皮膚疾患など


  • 感染症:足白癬(みずむし)、爪白癬(つめみずむし)、カンジダ症、マラセチア毛包炎、伝染性軟属腫(みずいぼ)、尋常性疣贅、青年性扁平疣贅、尖圭コンジローマ、ウィルス性発疹症、麻疹(はしか)、風疹(三日ばしか)、手足口病、新型手足口病、リンゴ病、パルボB19ウィルス感染症、水痘(みずぼうそう)、帯状疱疹、単純ヘルペス、カポジ水痘様発疹症、サイトメガロウィルス皮膚感染症、伝染性単核球症、尋常性狼蒼、リンパ節結核、バザン硬結性紅斑、皮膚非結核性抗酸菌症、カポジ肉腫、毛包炎、尋常性ざ瘡(にきび)、伝染性膿痂疹(とびひ)、せつ、よう、丹毒、猩紅熱、蜂窩織炎、壊死性筋膜炎、トキシック・ショック症候群、バルトネラ感染症、猫ひっかき病、ビブリオ・バルニフィカス感染症、ガス壊疽、マダニ刺咬症、クリーピング病など


  • アレルギー疾患:じん麻疹、薬疹(播種状紅斑丘疹型、多形紅斑型、スティーヴンス・ジョンソン症候群、中毒性表皮壊死症、薬剤性過敏症症候群、扁平苔癬型、アナフィラキシー型など)、接触皮膚炎(かぶれ)、獣肉アレルギー、パンケーキ症候群など


  • 皮膚腫瘍(良性・悪性): 皮膚線維種、アクロコルドン、色素性母斑、脂漏性角化症、光線性角化症、附属器腫瘍、有棘細胞癌、悪性黒色腫、基底細胞癌、汗腺癌、毛包癌、皮膚悪性リンパ腫、菌状息肉症、リンパ腫様丘疹症、NKリンパ腫(鼻型)、ランゲルハンス組織球症、成人T細胞白血病/リンパ腫、MTX関連リンパ腫など


  • 水疱症:水疱性類天疱瘡、尋常性天疱瘡、落葉状天疱瘡、増殖性天疱瘡、ジューリング疱疹状皮膚炎、腫瘍随伴性天疱瘡、IgA水疱症、線状IgA水疱性皮膚症、先天性表皮水疱症、後天性表皮水疱症など


  • 物理的障害:擦過傷、ざ傷、熱傷、凍瘡(しもやけ)、凍傷など

取り組み

  • 皮膚疾患は内科疾患と深い関連がある場合もあります。わたしたちは、皮膚疾患に関連する内科的疾患も精査し、皮膚疾患の発症の原因をできるだけ明らかにするとともに、将来の予防を考えた治療を提案しています。


  • 一般的治療法として浸透しているナローバンドUVB機器を用い、難治性アトピー性皮膚炎や乾癬、痒みの強い皮疹に対する光線療法を実施しています。


  • わたしたちは、国内外の皮膚科学会に出席し、新しい情報を収集して、最新治療に取り組んでいます。特に難治性の乾癬、アトピー性皮膚炎、じん麻疹に対して最新の注射(生物学的製剤)を用いた治療を早期から取り入れ、患者さんから高い信頼と評価をうけています。


  • 多くの良性皮膚腫瘍、皮膚に限局した悪性皮膚腫瘍の臨床診断、病理診断、治療、その後の経過観察までを一貫して、主治医が行いますので、診断から治療までの流れが明確です。


  • 当皮膚科は、多くの特殊疾患の専門の先生方とのはば広い交流があります。稀少性皮膚疾患の診療については、その疾患を専門とする他大学皮膚科との連携をとり、患者さんに有益な情報を与えるように努めています。


  • 本施設は、薬疹の専門施設です。そのため、患者さんには臨床研究にご協力していただいていますが、その研究費で特別な検査(HLA DNA遺伝子検査や薬疹に関連するウィルスPCR検査など)を行い、的確な診断・治療・予防を実践しています。


  • わたしたちのグループは、静岡県の茶業農家に多い獣肉アレルギーの原因がマダニ刺咬症であることをつきとめ、論文化しました(Hashizume et al. Journal of American Academy of Dermatology 2019; 橋爪秀夫 日本衛生動物学会雑誌 2019; Kageyama et al. Allergy 2020; Kaneko et al. Journal of Cutaneous Allergy and Immunlogy 2020)。本邦における獣肉アレルギーの的確な診断による発症頻度の解析と治療・予防開発のために、未だ保険収載されていない検査(抗α-Gal IgE抗体)を研究費を使っておこなっています。また、この検査が保険収載されるために、わたしたちが主導し今年度に臨床試験を行う計画となっています。

詳細情報(当科で行っている治療方法・検査方法について)

ナローバンド-UVB(NB-UVB)療法

太陽光線に含まれる紫外線は、強い日焼けをおこしたり、皮膚癌を発症させるヒトに有害な波長や炎症や痒みを抑えてある種の皮膚疾患に有効な波長を含んでいます。中波長と呼ばれる310nm付近の波長は、皮膚癌を発症させる有害な作用はほとんど無く、高率的に皮膚の炎症や痒みを抑えることがわかっています。当科では2018年よりドイツ製 の光線療法機器(Waldmann UV7002)を備え、アトピー性皮膚炎や尋常性白斑、乾癬などの治療に使用しています。ペースメーカーの入っている患者さんは使用できません。比較的安価な治療で、週に1-2回から開始し、高い有効性を得ています。

円形脱毛症の局所免疫(SADBE)療法

数個の円形脱毛症は自然治癒することも多いのですが、多発したり、拡大傾向が強いものは通常の治療では難しく、特別な治療が必要となることがあります。ステロイドホルモンの局所注射や内服または注射療法などの他に、当科ではSADBEというかぶれを起こす薬剤を塗布する局所免疫療法と呼ばれる特殊な治療も行なっています。この治療は厚生労働省が認可した治療ではありませんが、日本皮膚科学会の円形脱毛症の治療ガイドラインにも有効性が明記されている方法で、欧州では古くから行われていて、その有効性と安全性が担保されています。難治性の円形脱毛症の患者さんに限り、その方法と副作用に関して説明し、同意を得てから行っています。本治療は、当病院の臨床研究倫理委員会で承認を得ています。

乾癬およびアトピー性皮膚炎の生物学的製剤療法

最近、創薬の画期的な方法が開発され、難治性疾患に対する新薬が次々と作られています。これは、通常の薬剤開発とは異なり、疾患の研究成果から、健常人と患者との血液や皮膚に存在する物質を比べて、病気に限って多い物質を特定し、除去する薬剤を作るのです。ある物質(タンパク質)を除去する有効な手段として、その物質に対する抗体を作ります。最近は遺伝子操作の革新的技術が進み、マウスにヒトの抗体を作る遺伝子を導入することができるようになりました。このマウスに除去したい物質を投与していると、それに対する抗体を作るようになります。そのマウスから抗体を作る細胞を取り出して大量に培養し、ヒトの物質に対する抗体を精製するのです。この方法を用いて、これまで様々な物質を除去する抗体製剤ができています。乾癬という慢性の皮膚疾患は、これまで外用剤や免疫を抑える内服薬などが治療薬として用いられてきましたが、この病気に特に多く認められるTNF-α、IL-17、IL-23などの物質を除去するような抗体は、重篤な副作用がなく、すばらしい効果があります。同じ様に、アトピー性皮膚炎ではIL-4やIL-31の量が多く、これを除去する抗体製剤があります。抗体製剤の優れた効果は万人が認めるところですが、非常に高価なので高額医療制度を上手に使う必要があります。当科は日本皮膚科学会の定める生物学的製剤治療の認可施設です。

接触皮膚炎(かぶれ)および金属アレルギーの検査

かぶれや金属アレルギーの原因物質を調べるために、原因物質を皮膚に貼付した2日後に赤く腫れ上がるかどうかを判定する検査です。現在はあらかじめ日本人がかぶれやすい21種類が用意されたキット(JSAパッチテスト)があるので、簡単に検査することができます。

薬疹の原因薬剤検査

薬疹の原因薬剤を決定することは、二度と同じことを起こさないために、患者さんにとっては重要なことです。現在は、薬剤と患者さんの血液を混ぜて培養して反応をみる検査(DLSTまたはBAT)、薬剤を軟膏にして皮膚に貼付して2日後に反応をみる検査(薬剤パッチテストまたはスクラッチパッチテスト)などが、患者さんに負担をかけない検査としてよく行われます。内服試験は実際の内服量の1/10量から内服していただき、皮疹の出現をみます。重要な薬剤で内服できるかどうかの確認が必要な場合に行い、通常入院が必要です。

重症薬疹の発症を予見するHLA検査

赤血球の血液型は4つのタイプに分けられますが、白血球(リンパ球)の血液型は数多く詳細に分類されています。これをHLAタイプといい、免疫の制御に重要な分子であることが知られています。例えば臓器移植のときには、HLAタイプの一致率が重要です。最近、ある種の薬剤(カルバマゼピン、フェニトイン、アロプリノール、アバカビル、レクチゾルなど)では、特有のHLAタイプのヒトに重症薬疹が出現することがわかってきました。逆に、HLAタイプを調べることによって、重症薬疹を予防できることも検証されています。わたしたちは、重症薬疹の患者さんのHLAのDNAタイプを検査(保険未収載)して、今後の発症予防の参考にしていただいています。

診療統計

患者数

2018年度2019年度
延外来患者数11,693名12,996名
延入院患者数917名2,095名

生検実績

2017年度2018年度2019年度
生検数263件189件294件

スタッフ紹介

名前職名出身校取得年専門領域資格
橋爪 秀夫理事
兼皮膚科部長
浜松医大昭和61年皮膚免疫学 
アレルギー
薬疹
皮膚リンパ腫
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医 
医学博士学位授与(浜松医科大学医学部) 
日本皮膚科学会認定皮膚科指導医
日本研究皮膚科学会 評議員
日本皮膚科学会 代議員
科学研究委員会 専門委員
日本皮膚科学会 ICD委員会 委員
日本皮膚科学会 医療安全委員会 委員
日本皮膚科学会 AI委員会 委員
日本皮膚科学会静岡県皮膚科医会 理事
日本褥瘡学会中部支部 評議員
日本皮膚免疫アレルギー学会評議委員 評議員
日本皮膚免疫アレルギー学会 薬疹専門部会 部会長
日本皮膚免疫アレルギー学会 薬疹データベース委員会 委員長
日本皮膚免疫アレルギー学会 学術委員
独立行政法人医薬品医療機器総合機構(PMDA) 専門委員
静岡県指定難病審査委員 (新制度)
浜松市指定難病審査委員 (新制度)
静岡市指定難病審査委員 (新制度)
厚生労働省難治性疾患 重症多形滲出性紅斑研究班 班員
官民共同による重篤副作用バイオマーカー開発研究事業 創薬戦略部(医薬品等規制科課) 医薬品等規制調和・評価研究事業 研究 研究員
浜松医科大学皮膚科 非常勤講師
新リンパ浮腫講習会終了
医療安全管理者研修修了
緩和ケア研修(PEACE)終了
安島さやか医長聖マリアンナ医科大学平成23年皮膚科一般準備中
古川 瀬里医師鳥取大学平成27年皮膚科一般緩和ケア研修(PEACE)修了
伊藤泰介非常勤医師産業医大平成7年脱毛症 
皮膚アレルギー
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医
医学博士
浜松医科大学皮膚科学 准教授
日本皮膚科学会代議員
日本研究皮膚科学会評議員
日本皮膚免疫アレルギー学会評議員
毛髪科学研究会世話人
日本美容皮膚科学会 雑誌委員、評議員
日本小児皮膚科学会 運営委員、雑誌委員
日本皮膚心身医学会 評議員
円形脱毛症患者の会 顧問医師
日本円形脱毛症コミュニケーション 顧問医師

認定施設

  1. 日本皮膚科学会 専門医研修施設
  2. 日本皮膚科学会 乾癬生物学的製剤治療認定施設