泌尿器科
科の特徴
泌尿器科は、副腎、腎臓、尿路(腎盂尿管・膀胱・前立腺・尿道など)に生じる病気の診断と治療を行う診療科です。泌尿器科というと男性が受診するというイメージが強いかもしれませんが、老若男女を問わず様々な薬物治療や外科的治療を行っています。高齢化社会の到来に伴い、「泌尿器科がん」、「尿路結石」、「排尿障害」、「尿失禁」、「尿路感染症」で悩まれる方が増えています。当科では、それぞれの患者さんの病状に応じて最善な診療を心がけています。
対象疾患
・泌尿器科腫瘍
副腎腫瘍、腎がん、腎盂尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣腫瘍、後腹膜腫瘍、など
・尿路結石
腎結石、尿管結石、膀胱結石、など
・下部尿路機能障害(排尿・蓄尿障害)
前立腺肥大症、過活動膀胱、尿失禁、間質性膀胱炎、神経因性膀胱、低活動膀胱、骨盤臓器脱、など
・尿路感染症
腎盂腎炎、前立腺炎、膀胱炎、など
副腎腫瘍、腎がん、腎盂尿管がん、膀胱がん、前立腺がん、精巣腫瘍、後腹膜腫瘍、など
・尿路結石
腎結石、尿管結石、膀胱結石、など
・下部尿路機能障害(排尿・蓄尿障害)
前立腺肥大症、過活動膀胱、尿失禁、間質性膀胱炎、神経因性膀胱、低活動膀胱、骨盤臓器脱、など
・尿路感染症
腎盂腎炎、前立腺炎、膀胱炎、など
当院は地域がん診療連携拠点病院(高度型)に指定されているため、以下の診療は行っていません。 ・男性不妊治療 ・自費診療に該当するもの: 勃起不全(ED)、精管結紮術(パイプカット)、仮性包茎手術 |
診療統計
2022年度 | 2023年度 | 2024年度 | |
腎(尿管)摘出術 このうち腹腔鏡下手術 |
5 | 6 | 8 |
3 | 6 | 7 | |
経皮的尿路結石摘出術 | 75 | 76 | 95 |
経尿道的尿路結石摘出術 | |||
膀胱全摘術 | 5 | 0 | 2 |
経尿道的膀胱腫瘍切除術 | 83 | 87 | 100 |
前立腺全摘術(開腹) | 4 | 0 | 0 |
前立腺全摘術(ロボット) | 0 | 19 | 30 |
前立腺被膜下摘出術 | 0 | 0 | 0 |
経尿道的前立腺切除術 | 20 | 19 | 28 |
精巣摘出術 | 5 | 7 | 6 |
精巣固定術 | 4 | 4 | 6 |
腹腔鏡下副腎摘出術 | 2 | 0 | 2 |
CAPDカテーテル挿入術 | 0 | 0 | 0 |
体外衝撃波砕石術 | 114 | 138 | 139 |
その他 | 188 | 162 | 308 |
合計 | 510 | 524 | 731 |
スタッフ紹介
大塚 篤史
職名 | 副病院長 泌尿器科部長 ロボット支援手術センター長 女性骨盤機能センター長 教育研修副センター長 |
出身校 | 浜松医大 |
取得年 | 平成7年 |
専門領域 | 泌尿器科全般 下部尿路機能障害 低侵襲手術(腹腔鏡手術・ロボット支援手術) |
資格 | 日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本排尿機能学会専門医 日本女性骨盤底医学会専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 泌尿器腹腔鏡技術認定医 ロボット(daVinci)支援手術プロクター認定医(膀胱・前立腺、副腎・腎(尿管)) 緩和ケア研修(PEACE)修了 臨床研修指導医講習会修了 |
水野 卓爾
職名 | 泌尿器科部長 |
出身校 | 浜松医大 |
取得年 | 平成2年 |
専門領域 | 泌尿器科全般 |
資格 | 日本泌尿器科学会専門医・指導医 日本透析医学会専門医 医学博士 密封小線源治療安全取扱講習会修了 緩和ケア研修(PEACE)修了 |
鈴木 英斗
職名 | 医長 |
出身校 | 浜松医大 |
取得年 | 平成29年 |
専門領域 | 泌尿器科全般 |
資格 | 日本泌尿器科学会専門医 泌尿器腹腔鏡技術認定医 ロボット(daVinci)支援手術プロクター認定医(膀胱・前立腺) 密封小線源治療安全取扱講習会修了 緩和ケア研修(PEACE)修了 |
藤田 英彦
職名 | 医長 |
出身校 | 浜松医大 |
取得年 | 平成30年 |
専門領域 | 泌尿器科全般 |
資格 | 日本泌尿器科学会専門医 ロボット(daVinci)支援手術プロクター認定医(膀胱・前立腺) 密封小線源治療安全取扱講習会修了 緩和ケア研修(PEACE)修了 |
北川 雄一
職名 | 医師 |
出身校 | 岩手医大 |
取得年 | 令和2年 |
専門領域 | 泌尿器科全般 |
資格 | Certificate of da Vinci Technology Training as a First Assistant 日本脳卒中学会脳梗塞rt-PA適正使用講習会修了 緩和ケア研修(PEACE)修了 |
主な疾患に対する取り組み
前立腺がん
最新がん統計において男性の罹患数第1位となり、国内で急速にその患者さんが増えています。早期診断・早期治療のためには、健診で「PSA(前立腺特異抗原)」という血液検査を受けることが大切です。
前立腺がんの確定診断を行う前立腺針生検(検査)は、原則1泊2日の入院で行っています。事前にMRIを行い、診断精度の向上に取り組んでいます。
前立腺がんと診断された場合、前立腺内にとどまるがん(転移のない限局がん)であれば、ロボット支援下前立腺全摘除術あるいは放射線治療(強度変調放射線治療や密封小線源療法)で根治を目指します。当院は、中東遠地域では唯一の密封小線源療法の実施施設です。
がんが進んでいる方や根治手術の適応がない方に対しても、ガイドラインに基づいた最適な薬物治療を行っています。また、前立腺がんの一部の方には特定の遺伝子変異(BRCA遺伝子変異)があることが知られており、それを調べる「がん遺伝子パネル検査」も実施しています。
前立腺がんの確定診断を行う前立腺針生検(検査)は、原則1泊2日の入院で行っています。事前にMRIを行い、診断精度の向上に取り組んでいます。
前立腺がんと診断された場合、前立腺内にとどまるがん(転移のない限局がん)であれば、ロボット支援下前立腺全摘除術あるいは放射線治療(強度変調放射線治療や密封小線源療法)で根治を目指します。当院は、中東遠地域では唯一の密封小線源療法の実施施設です。
がんが進んでいる方や根治手術の適応がない方に対しても、ガイドラインに基づいた最適な薬物治療を行っています。また、前立腺がんの一部の方には特定の遺伝子変異(BRCA遺伝子変異)があることが知られており、それを調べる「がん遺伝子パネル検査」も実施しています。
当科で実施している治療
- ロボット支援下前立腺全摘除術
- 強度変調放射線治療(IMRT)
- ラジウム-223(ゾーフィゴ)
- 薬物治療(内分泌療法・抗がん剤)
- 密封小線源療法
- がん遺伝子パネル検査
腎がん
早期の腎がんに対しては、低侵襲手術(腹腔鏡下手術ないしロボット支援手術)を積極的に導入しています。低侵襲手術が困難と判断された場合には開腹手術を行うこともあります。最新のロボット支援手術も含め、患者さんにあった最適な手術方法を選択します。
また、がんが進んでいる方や根治手術の適応がない方に対しても、ガイドラインに基づいた最適な薬物療法(免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬)を行っています。
また、がんが進んでいる方や根治手術の適応がない方に対しても、ガイドラインに基づいた最適な薬物療法(免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬)を行っています。
当科で実施している治療
- ロボット支援下腎悪性腫瘍手術
- 根治的腎摘除術
- 腹腔鏡下腎悪性腫瘍手術
- 薬物治療(免疫チェックポイント阻害薬・分子標的薬)
腎盂尿管がん
早期の腎盂尿管がんに対しては、積極的に低侵襲手術(腹腔鏡下手術ないしロボット支援手術)を導入しています。低侵襲手術が困難と判断された場合には開腹手術を行うこともあります。最新のロボット支援手術も含め、患者さんにあった最適な手術方法を選択します。
また、がんが進んでいる方や根治手術の適応がない方に対しても、ガイドラインに基づいた最適な薬物療法(抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬)を行っています。
また、がんが進んでいる方や根治手術の適応がない方に対しても、ガイドラインに基づいた最適な薬物療法(抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬)を行っています。
当科で実施している治療
- ロボット支援下腎(尿管)悪性腫瘍手術
- 腎尿管全摘除術
- 腹腔鏡下腎尿管悪性腫瘍手術
- 薬物治療(抗がん剤・免疫チェックポイント阻害薬)
膀胱がん
まずは診断と治療を兼ねて、経尿道的に腫瘍を切除する「内視鏡手術(TUR-Bt)」を実施します。治癒切除後に再発のリスクが高いと判断された場合、膀胱内に抗がん剤やBCGを注入する治療を追加することがあります。内視鏡手術の結果により浸潤がん(筋層までがんが進行)と診断された場合には、根治を目指して膀胱全摘除術を行います。膀胱全摘除術では尿路変向術を合わせて行うため、原則的に尿路ストーマが必要となります。手術の前後に抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬を用いた補助療法を併用することがあります。
また、がんが進んでいる方や根治手術の適応がない方に対しても、ガイドラインに基づいた最適な薬物療法(抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬)を行っています。
また、がんが進んでいる方や根治手術の適応がない方に対しても、ガイドラインに基づいた最適な薬物療法(抗がん剤や免疫チェックポイント阻害薬)を行っています。
当科で実施している治療
- 経尿道的膀胱腫瘍切除術(TUR-Bt)
- 膀胱内薬剤注入療法
- 膀胱全摘除術
- 薬物治療(抗がん剤・免疫チェックポイント阻害薬)
尿路結石
結石の位置や大きさにより、その治療方法は様々です。自然排石が期待される場合には、鎮痛剤等を用いて経過観察をします。自然排石が期待できない場合、上部尿路結石(腎結石・尿管結石)に対しては、体外衝撃波結石破砕治療(ESWL)ないしは経尿道的腎尿管結石砕石術(TUL)を行います。特に大きな腎結石や尿管結石の治療には、背部から腎臓に通り道を作成し(腎瘻造設)、そこから内視鏡(腎盂鏡)を挿入して破砕する経皮的腎尿管砕石術(PNL)を行うこともあります。膀胱結石に対しては、経尿道的膀胱砕石術(内視鏡手術)により、開腹することなく結石を治療しています。
健診や他疾患の治療中などに偶然発見された結石は、症状の有無、結石の大きさや位置によって治療を行うか判断します。
健診や他疾患の治療中などに偶然発見された結石は、症状の有無、結石の大きさや位置によって治療を行うか判断します。
当科で実施している治療
- 体外衝撃波結石破砕治療(ESWL)
- 経皮的腎尿管結石砕石術(PNL)
- 経尿道的腎尿管結石砕石術(TUL)
- 経尿道的膀胱砕石術
下部尿路機能障害(排尿・蓄尿障害)
前立腺肥大症、過活動膀胱、尿失禁、間質性膀胱炎、神経因性膀胱、低活動膀胱、などの様々な下部尿路機能障害に対応可能です。
標準的な薬物治療のほか、前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺切除術(TUR-P/TUEB)、腹圧性尿失禁に対する尿失禁防止術(中部尿道スリング手術)、難治性過活動膀胱に対するボトックス(ボツリヌストキシン)膀胱壁内注入療法、間質性膀胱炎に対するジメチルスルホキシド(DMSO)膀胱内注入療法(ハンナ型のみ)や膀胱水圧拡張術/ハンナ型間質性膀胱炎手術などの幅広い治療を行っています。
患者さんの病状や希望に応じて薬物治療や外科的治療を選択し、排尿のトラブルを少しでも解決して日々の生活をより良くしていただくように心がけています。老若男女を問いませんので、お気軽にご相談ください。
標準的な薬物治療のほか、前立腺肥大症に対する経尿道的前立腺切除術(TUR-P/TUEB)、腹圧性尿失禁に対する尿失禁防止術(中部尿道スリング手術)、難治性過活動膀胱に対するボトックス(ボツリヌストキシン)膀胱壁内注入療法、間質性膀胱炎に対するジメチルスルホキシド(DMSO)膀胱内注入療法(ハンナ型のみ)や膀胱水圧拡張術/ハンナ型間質性膀胱炎手術などの幅広い治療を行っています。
患者さんの病状や希望に応じて薬物治療や外科的治療を選択し、排尿のトラブルを少しでも解決して日々の生活をより良くしていただくように心がけています。老若男女を問いませんので、お気軽にご相談ください。
当科で実施している治療
- 各種薬物治療
- 尿失禁防止術(中部尿道スリング手術)
- DMSO膀胱内注入療法
- 経尿道的前立腺切除術(TUR-P/TUEB)
- ボトックス膀胱壁内注入療法
- 膀胱水圧拡張術/ハンナ型間質性膀胱炎手術
認定施設
- 日本泌尿器科学会・専門医教育施設認定