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くすりの話

第18話 治験コーディネーターとは


2008年4月/磐田市立総合病院 薬剤部

以前、「くすりの話」の第7話では『治験のはなし』と題して、治験に関する全般的なお話をさせていただきましたが治験に関して理解いただけましたでしょうか。 今回は治験が行われるときに活躍するスタッフ“治験コーディネーター”についてお話させていただきます。
普段皆さんが病院に来られて診察を受け帰られるまでに接する病院のスタッフは医師・看護師・検査技師・放射線技師・薬剤師・栄養士・リハビリーテーション技師・受付会計事務員など多くの専門スタッフが必要に応じて患者さんの治療に参加しています。

治験コーディネーターは普段の診療ではあまりお目にかかりませんが、医師から治験に参加する患者さんに対して治験の補助的な説明を頼まれた時や、治験に参加していただいているとき、治験のことについて詳しく知りたいと要望があったときに対応しています。

第7話の中にもありましたが、治験に参加する前には“治験の目的、方法、治験に参加しない場合の治療法、「治験薬」の特徴(予測される効果と副作用)など”が記載された「説明文書」によって説明が行われます。その際わからないことや確認したいことなどは納得するまでどんなことでも質問することができます。ほとんどの場合、治験コーディネーターも同席し説明の補助をさせていただきます。
そして、治験に参加するかしないかは、だれからも強制されることなく、自分の意思で決めていただきます。説明を受けたその場で決めず、説明文書を持ち帰って家族に相談してから決めることもできます。その後文書により同意が得られて初めて治験に参加していただきます。

こうして治験参加への同意が得られ治験が始まると、当院の治験コーディネーターは来院された患者さんに同行して各種検査、診察、お薬の使い方の説明・投薬、会計まで、病院内をスムーズにご案内します。
治験に参加される前や、参加中はまだ一般に使われていないお薬のため日常生活や、お薬の使い方、好ましくない症状など心配事が増える場合もありますが、そのような場合は担当する医師や治験コーディネーターが来院された時、あるいはお電話にてご相談に乗り問題解決に努めています。
診察の時に医師に聞き忘れたことなども治験コーディネーターが柔軟に対応しております。

治験に参加していただいている患者さんとの対応はもちろんのこと、治験が安全に倫理的に行えるよう見えないところでも活躍しています。

治験に関係する製薬企業や、担当医師、該当診療科、検査部門、放射線部門、薬剤部門、事務・会計部門と事前に打ち合わせや調整をして来院や治験の進行がスムーズに進むように努めています。

治験は“医療設備が整っている。責任を持って治験を実施する医師、看護師、薬剤師等がそろっている。治験の内容を審査する委員会が設置されていること。緊急の場合には直ちに必要な治療、処置が行える。”などの治験に関係する法律の要件を満たしている病院でしか行えません。その中で製薬企業と病院、病院長と治験を審査する委員会や責任を持って実施する医師とは決められた文書でやり取りが行われるので、その文書の作成、保管管理のお手伝いもしています。

このように患者さんと接する場面だけではなく、舞台裏でも治験の実施を支えることが治験コーディネーターの仕事です。その治験コーディネーターはClinical Research Coordinatorの頭文字をとってCRCともいわれます。院内では名称が長いこともありCRCと呼ばれることが多いです。

当院のCRCは2008年3月現在、6人のCRCで治験業務をサポートしています。そのうち薬剤師のCRCが3人、看護師のCRCが3人います。
薬剤師CRCは薬の専門家として、看護師CRCは患者さんのケアのベテランとしてそれぞれの特性を生かし治験業務に取り組んでいます。

以上のように当院のCRCは日ごろから実践を積み、各種研修会・学会に参加を行い自己研鑽し、質の高い治験に参加していただけるよう努めております。
ぜひこのページをご覧になられた方も当院で満足のいく治験に参加していただけることと思います。
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