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くすりの話

第2話 医薬分業について


2004年4月/磐田市立総合病院 薬局

当院では平成8年より患者さんのご協力を得て医薬分業に取り組んでおります。病気やケガで医師の診察を受け、お薬が必要な場合には処方箋をもらう事があります。この処方箋には薬剤名や用量、用法などが書かれています。そして、院外の薬局で処方箋と引換えに薬をもらいます。このような仕組みを「医薬分業」と言います。
それでは、どうしてこのような仕組みになっているのでしょうか?「医薬分業」とは医師と薬剤師が協力し、お薬をより安全に使っていただくための制度です。患者さんは自分の意志で薬局を自由に選び、処方箋に書かれたお薬を受けとることができます。

かかりつけ薬局

患者さん自身が自分の意志で選んだ信頼できる行き付けの薬局をかかりつけ薬局といいます。かかりつけ薬局を持っておくと次のような利点があります。
  1. 患者さんの薬歴(薬についてのカルテ)を作ることで、複数の科や当院だけでなく他の医療機関から処方されたお薬の重複や一緒に服用すると危険なお薬の情報を確認することができます。
  2. お薬の正しい飲み方・使い方・保管の仕方などについて相談に応じてもらえます。
  3. すぐに調剤できない場合やお体がご不自由で薬局に立ち寄れない場合には、ご自宅にお薬をお届けし説明・相談に応じてもらえます。

医薬分業に関するアンケート結果

日本薬剤師会が今年1月に発表した、神奈川県内で実施した医薬分業に関する調査の結果を次にお示しします。
医薬分業は望ましい 分業経験のある人 54%
分業経験のない人 32%
現在の分業状態に「満足している」 分業経験のある人 35%
分業経験のない人 14%
かかりつけ薬局を持っている 45%
ほぼ1カ所に決めている 14%
診療科、病院ごとに決めている 30%
これらの結果から現状では医薬分業について患者さんから十分なご理解を得られているとは思われませんので、今後より多くの患者さんにご理解していただくよう、当院もかかりつけ薬局もより努力していかなければなりません。

有用な事ばかりではない

有用なことだけでなく患者さんには病院での診察、会計が終わった後、薬局に再び立ち寄っていただくという不便をかけることがありますが、かかりつけ薬局を利用した場合の利点をご理解していただき、より安全なお薬による治療のためにご協力ください。
そして病院から直接お薬をもらうよりも患者さんの負担は若干高くなります。これは、薬局では先程説明した患者さんのお薬の薬歴を記録したり、説明の文書を利用しての丁寧な服薬指導を行うことによるものです。
もう一つ気になることに処方せんを薬局に持って行くと調剤の前にいろいろ聞かれることがありますが、これはお薬を安全に使用していただくために副作用やアレルギーなどについて必要なことをお聞きしているためです。一度お聞きしたことは薬局で薬歴に記録しておき、次回の調剤に役立てます。この点でもかかりつけの薬局を決めることで、より一層安全なお薬の使用が期待できます。

医薬分業についてのQ&A

Q:お薬だけほしい時、お医者さんに行かなくても薬局で調剤してもらえますか。

いいえ、できません。薬剤師は医師の診察の結果、症状に応じて出された処方箋に基づき調剤しますので、その都度、医師の診察を受けなければなりません。

Q:処方箋は、代理の者が持って行ってもお薬がもらえますか。

処方箋があれば、本人でなくてもお薬はもらえます。患者さんは家で休み、家族の方などが処方箋をお持ちになってもお薬はもらえます。

Q:薬局へファックスで処方箋を送ることができると聞きましたが。

かかりつけ薬局に処方箋をファックスで送り、実物の処方箋を薬局に持って行くことで、お薬をもらう時の待ち時間を短縮できます。

Q:お薬を扱う店ならどこでも、処方箋でお薬がもらえますか。

「保険薬局」の表示がしてある薬局であればどこでもお薬がもらえます。

病院の薬局は何をやるの?

病院の薬局(薬剤師)は入院中の多くの患者さんにお薬について説明し、副作用が起きていないかチェックし安全に薬物治療を行っていただけるよう、お薬全般について管理させていただいています。
基本的には外来の患者さんのお薬は院外の薬局、そして入院中の患者さんのお薬は病院の薬局の薬剤師が受け持つということです。
髙田 晃

参考資料

クラヤ三星堂<健康情報> / 日本薬剤師会資料
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