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くすりの話

第34話 グレープフルーツと薬について


2014年3月/磐田市立総合病院 薬剤部

寒さもやや緩み、待ち遠しかった春の訪れに快さを覚える季節となりました。
さて今回は、グレープフルーツと薬についてお話しします。
高血圧の薬のうち「カルシウム拮抗薬」といわれる薬はグレープフルーツやその加工品(ジュースなど)と 同時に摂取すると、効果が強く出てしまい、頭痛・めまい・ほてりなどの症状があらわれることがあります。
これは、グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分が、酵素「チトクロームP450」の働き(肝臓などで薬を代謝する)をおさえ、 血液の中の薬の濃度が上がることで、通常よりも薬の効き目や副作用が強くあらわれてしまうためと考えられています。「スタチン系」と呼ばれる高コレステロール血症の薬も同様に濃度が上がり、 副作用が現れたりなどの症状が出ることがあります。

グレープフルーツとこれらの薬の相互作用は、同時に摂った場合だけとは限らず、グレープフルーツを摂ってから数時間後に薬を飲んだ時にも影響があらわれたとの報告もあります。
これらの薬を飲んでいる方はグレープフルーツは食べない・飲まないようにしたほうが良いかもしれません。
他にも同じ柑橘類の、はっさく・ぶんたん(ザボン)・スウィーティーなどにも同じような作用があるので注意が必要です。 しかし、オレンジには、このような相互作用は認められていませんので安全とされています。

その他、抗血小板剤(血を固まりにくくする薬)や免疫抑制剤(免疫機能を抑える薬)のなかにも作用が増強されるお薬があります。

現在お飲みになっているお薬で、気になることがある方は、かかりつけの調剤薬局又は当院薬剤部へお尋ね下さい。
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