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トピックス

日常生活を守るためのがん治療「外来化学療法」


専門職がチームで支えます。仕事との両立の不安なども気軽にご相談を


副作用を抑える薬の改良が進み、外来での治療が可能に

がんの治療法は「局所療法」と「全身療法」があり、手術療法、放射線療法は局所療法、化学療法(抗がん剤治療)は全身療法にあたります。これまでは手術が中心でしたが、最近では放射線療法や化学療法が進歩し、がんの種類やその特徴・進行度によっては、手術と同等あるいはそれ以上の効果があると認められています。

化学療法は、薬剤を点滴や注射で血液内に入れて、全身に行きわたらせ、がん細胞を死滅させたり、増殖を抑えたりする治療法です。全身を巡るため小さな転移にも効果がありますが、健康な細胞にも影響するため、さまざまな副作用があらわれる可能性もあります。

そのため、「脱毛や吐き気などの副作用がつらいため、入院での治療が必要なのでは?」というイメージを持たれる方も多くいます。けれども近年は、抗がん剤自体が改良されたり、副作用をやわらげる薬も開発されてきました。また、「治療中でもふだんと変わらない生活を送りたい」という患者さんの希望もあり、入院せずに外来通院で化学療法を受けられる患者さんが増えてきています。

専門スタッフによるチーム医療できめ細やかに対応

当院の外来化学療法の利用者は年々増加しており、2020年度以降は延べ5000件を超えています。外来化学療法センターでは、がん薬物療法専門医、がん化学療法看護認定看護師やがん薬物療法認定薬剤師、外来がん治療認定薬剤師などの資格を持つスタッフが、患者さんの治療にあたっています。

治療にあたっては、お勤めの方は昼休み時間を利用するなど、できるだけ日常生活に影響が出ないよう計画も立てています。近年では、仕事と治療を両立するため国の制度が充実してきました。不安なことがあれば、がん相談支援センターのスタッフもご相談をお受けします。

近年、「従来の抗がん剤(殺細胞薬)」に加えて、がん細胞を選択的に攻撃する分子標的薬や、免疫細胞の力を使う「免疫チェックポイント阻害薬」といった新しい薬剤も多く登場してきました。新しい薬剤の取扱いには、従来の薬剤とは違った対応が必要で、医師、看護師を中心としたチームが連携しています。このほか、外来化学療法センターでは、がん診療に関わる様々な部門や、臨床心理士、管理栄養士などとも連携して、診療科・職種横断的なチーム医療に取り組んでいます。
副病院長兼外来化学療法センター長兼がん診療センター長
飛田 規

専門的知識をベースに患者さんを身体的、精神的にサポート
(がん化学療法看護認定看護師)

特定の看護分野において、熟練した看護技術と知識を有する者として、日本看護協会の認定を受けた看護師を認定看護師といい、静岡県内には41名のがん化学療法看護認定看護師がいます。

私は、外来化学療法センターに勤務し、専門的知識に基づき、薬物治療を行う患者さんの安全な投与管理、副作用対策やマネジメント、セルフケア支援、治療期間中の身体的精神的サポートを行っています。また、がん診療チームの一員として多職種と協同し、がん患者さんやそのご家族の支援にも携わっています。「地域がん診療連携拠点病院(高度型)」として、がん看護や化学療法看護の質の維持向上のため、病院内外の教育や相談指導にも取り組んでいます。

患者さんやそのご家族は、がんと診断された時から、さまざまな思いを抱いて治療に臨んでいます。つらい思いに共感し、その人らしく安心して治療が続けられるよう、最小限の苦痛で最大限の効果を得ることを目指し、一人ひとりの患者さんに寄り添った看護を提供していきたいと思っています。

がんの薬物治療の不安や副作用でつらい時など、ひとりで悩まずに気軽に声を掛けてください。外来化学療法センターのスタッフとともにお手伝いさせていただきます。
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