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中東遠地域初!特定行為研修:指定研修機関に認定!


地域で求められる特定看護師の育成

『特定行為研修:指定研修機関』の認定を受けて

副病院長兼看護部長
工藤 ゆかり

当院は中東遠地域の高度急性期・急性期医療を担う基幹病院として、多くの救急患者さんを受け入れ、緊急手術も含めて手術件数も増加しています。医療現場では多職種協働によるチーム医療が行われており、特に看護師の役割(業務)の拡大が重要な時代となってきています。この業務の幅が広がるものとして特定行為があり、難易度の高い診療の補助業務を、医師があらかじめ作成する「手順書」という包括的指示の下に実践するものです。

この度、中東遠地域で初めて当院が厚生労働省から『特定行為研修:指定研修機関』の認定を受けました。10月から院内で「術中麻酔管理領域パッケージ」という区分での研修がスタートします。実践的な理解力、思考力及び判断力並びに高度かつ専門的な知識及び技能を修めた特定看護師は、人工呼吸器関連業務に加えて、循環動態に係わる薬剤投与や輸液による水分管理等、医師の判断を待つことなく「手順書」に基づいて速やかに介入できます。手術センターだけでなく、救命救急センターや病棟でも患者さんの全身管理や疼痛管理に活躍が期待され、看護師のキャリアアップにもつながります。

先ずは院内で経験を重ね、高度かつ専門的知識・技能を発揮できる体制を整えていきます。国の考えでは在宅医療・介護分野でのニーズを想定しており、将来的には特定研修機関として中東遠地域を支える看護職の研修受け入れも視野に入れています。地域の皆様にも特定行為研修に取り組む看護師へのご理解とご協力をお願い致します。 

特定行為指定:研修機関として研修スタート

医師の指示を待たず手順書をもとに診療を提供

国は2025年に向けてさらなる在宅医療等の推進を図っていくために、手順書により一定の診療の補助を行う看護師(特定看護師)を計画的に養成することを目的として特定行為に係る看護師の研修制度を創設しました。2025年には特定行為研修修了者を全国で10万人まで育成することを目標にしていましたが、現在6,000人にとどまっているのが現状です。

当院も地域医療支援病院の役割として、地域に求められる専門職の育成と活躍が必要です。そのためには地域医療の質の向上を図る必要があり、特定看護師を育成することが必須と考えました。この8月に、中東遠地域で初の特定行為研修指定研修機関の認定を受け、秋から研修が始まります。

当院の看護師教育プログラムは、新人教育・ラダー別研修・専門及び認定看護師の資格取得などの院内研修が充実し、資格取得のための支援体制も整っています。またプラチナナース(定年退職前後の就業している看護職員)が自分のキャリアを活かすことができる環境を現在検討しています。知識と経験を積み、様々な分野や地域で力を発揮できる看護師が多く当院で働いています。さらに特定看護師を育成し活躍する場が広がることが看護師のスキルアップだけではなく、地域の皆様の期待に応えることになると信じています。

タイムリーな診療提供で症状の早期回復につながる

受講者の当院認定看護師

現在、5名の特定看護師が7分野で自院での実践を行っています。特定看護師の資格取得には、共通科目として252時間の講義と実習を行います。さらに分野毎に区分別科目の講義に加え、演習・手技については指導者からの演習の合格を頂いて初めて臨床実習を実施します。特定行為研修機関として開講する初年度は、2名の当院認定看護師が術中の麻酔パッケージ領域を受講します。本来熟練した知識と技術を持った看護師が、さらに学びを深め手順書に基づいて実践していきます。患者さんは安心して特定行為を受けて頂けると思います。

他施設や在宅医療に従事する看護師の参加も期待

高齢化が加速する我が国では、2025年を目途に地域包括ケアシステムの構築を推進していく必要があります。今後は当院の看護師だけではなく、他の施設や地域の在宅医療に従事する看護職の皆さんが特定行為研修に参加できる環境を整えていきたいと思います。

私たち看護職は、患者さんの笑顔をみることが一番の活力です。患者さんの笑顔が自然と私たちを笑顔にし、さらに大きな輪となり繋がっていきます。多くの特定看護師が中東遠地域で活躍することで、皆様に住み慣れた地域で自分らしい暮らしを人生最後まで過ごすことが出来る一助になると願っています。

副看護部長
石垣 香ほり

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