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トピックス

病院長就任あいさつ


質の高い医療の提供で、活気に満ちた地域医療を推進

病院長兼地域医療支援センター長 山﨑 薫

がん診療、高齢者支援体制構築に注力

2023年1月1日、病院長を拝命いたしました。地域医療に貢献できる機会をいただけたことに感謝し、責任の重さを痛感しております。

当院の使命は、コロナ禍にあっても、安心の医療を提供し、受診される患者さんやご家族が安心して病院を訪れることができ、職員が安心して働ける、このような環境を維持することだと考えています。このことを基盤とし、より信頼される医療を提供するよう努めてまいります。

目指す医療として、①地域がん診療の拠点病院としての機能の充実、②24年から施行される医師・医療従事者の働き方改革に向けて、医療従事者間のタスク・シフト/シェアの推進、③高齢者支援を充実させるため、介護や在宅医療との連携体制構築を掲げました。

当院は昨年、中東遠地区で唯一、地域がん診療連携拠点病院(高度型)に指定されました。高い診療機能を備えた施設として、当地域のがん診療の拠点となることが期待されています。

そのひとつとして、15歳から39歳までを指すAYA世代の支援体制の構築を進めます。この世代は、成人に多いがん、小児に多いがんのいずれも発症する可能性があります。就学や就職、結婚、出産、子育てなどの人生の節目を迎える世代でもあり、精神的な支援も重要です。特に治療や薬剤のため、男女ともに妊娠に影響することも分かっています。妊よう性温存療法などにも取り組んでまいります。

また、がんゲノム医療にも取り組みます。そのためには、がん遺伝子パネル検査で得られた結果が臨床上どのような意味を持つのか検討するエキスパートパネルという会議体をつくる必要があります。地域に認めていただけるよう、しっかり取り組んでまいります。

医師の働き方改革が進んでいますが、ただ単に医師に時間外勤務時間短縮の号令をかけるだけでは達成できません。医療従事者間のタスク・シフト/シェアを、より一層進める必要があると考えます。そのためには、クラウドを活用したシステム、AI、ロボットを導入し、医療のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進させる取り組みも必要です。

高齢者支援も重要です。当面は高齢者人口が増加をたどると推計されており、医療現場は認知症や骨粗しょう症、フレイルを抱える高齢者への対応を避けて通れません。健康寿命延伸プランの中でも認知症予防、フレイル対策といった疾病予防、重症化予防、介護予防が唱えられています。高血圧や脳卒中などの生活習慣病と同じように認知症なども予防の概念が必要で、重症化予防に向けて介護サービス事業所と連携して取り組む必要があります。

特に認知症は、地域の在宅医療を担う医師や看護師と一緒に予防の取り組みをしていきたいと考えています。「磐田オリジナル」の予防プログラムが生まれることを期待しています。

他の地域に誇れる地域医療連携体制構築を

日常よくみられる疾患の対応、休日・夜間の対応、在宅医療など、患者さんには多くのニーズがあり、国の方針では、これらの多くはかかりつけ医の先生方が担うとされています。当院でも、かかりつけ医の先生方との連携が不可欠と考えています。私は、以前から地域医療支援センター長の職務を担っており、現在も兼任しています。これまでも、かかりつけ医の先生方には、当院退院後のフォローをお願いしてきました。今後も患者さんの情報を共有して、患者さんをスムーズに支えていきたいと思います。

厚生労働省は、次の感染症蔓延時にも確実な医療提供を確保するため、平時から計画的な体制の整備を呼び掛けています。昨年の診療報酬改定では、その一つとして「外来感染対策向上加算」が新設されました。急性期病院が指導的な役割を果たしながら、地域の病院や診療所の感染対策の向上を図るものです。当院では、年2回の研修、年1回の訓練を通じて、防護服の着脱法やゾーニングの仕方などを連携医療機関の職員に指導しています。感染対策研修だけでなく、その他にも一緒に研修できることが増えれば、連携も強化できるようになります。ほかの地域に誇れる地域医療連携を築いていきたいと考えています。
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