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トピックス

繰り返す骨折を防ぐ! 骨粗しょう症リエゾンチーム


医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士等がチームで支援

骨折治癒後も骨粗しょう症の服薬が重要

骨粗しょう症は、骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。自覚症状がほとんどなく、「背中が丸くなる」「身長が縮む」といった症状が少しずつ起きるため、病気と気づかないことも多く、気づいたときには症状がかなり進んでいるケースも少なくありません。

骨粗しょう症は、閉経により女性ホルモンが減少することが大きな原因の1つで、そのため女性に多い病気です。血液の中で不足しがちなカルシウムを補うために骨に蓄えたカルシウムが溶け出し、骨の量が減ってしまうのです。骨粗しょう症になると、転んだり、しりもちをついたり、重い物を持ち上げた程度で背骨の圧迫骨折が起こります。痛みを伴わないこともあり、骨折に気づかず治療開始が遅れるケースも見られます。このほかに骨折が起きやすいところは、手首の骨、太ももの付け根(大腿骨近位部)の骨です。太ももの付け根を骨折すると手術が必要となりますが、もし手術ができないとそのまま寝たきりや死亡に至る場合もあり、特に注意が必要です。40代くらいから、骨密度検査を受け、バランスの良い食事や適度な運動で予防を心がけてください。

正常の骨

骨粗しょう症の骨

浜松医科大学 井上名誉教授ご提供

当院から在宅までをつなぐ「地域連携パス」で支援

骨粗しょう症の人は、手首、背骨、大腿骨近位部と順次骨折していくケースが多く見られます。初めに骨折した手首が治ると、通院は終わりになり骨粗しょう症の薬を飲む人はほとんどいません。

当院では、骨粗しょう症による骨折を起こした人を対象に、骨折の連鎖を起こさせないように2次予防に取り組んでいます。医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、理学療法士等がリエゾンチームを組み、患者さんが治療を続ける意識を持ち続けられるよう支援しています。

骨粗しょう症の治療率や継続率を向上させるには、かかりつけ医の先生方の協力も必要です。高齢者は、内科医院を定期的に受診することが多いので、当院では、内科の診療所とも連携を図り、退院後も骨粗しょう症薬の処方など、継続して患者さんを支える仕組みを整えています。また、薬剤師も市内の調剤薬局と連携するなど、地域全体で骨粗しょう症の2次予防に取り組んでいます。

手首や大腿骨近位部の骨折患者さんには、当院、回復期病院、在宅までをつなぐ「地域連携パス」が運用されており、効果的に機能しています。骨粗しょう症についてご質問がありましたら、当院や身近な医療機関にお声かけください。

副病院長兼整形外科部長 山崎 薫

片足立ちで足の筋力やバランス能力を改善

骨粗しょう症のため、もろくなった骨は転倒などの小さな力で折れる可能性があり、骨折を防ぐためには転倒予防も重要です。高齢者の転倒を予防する運動療法の研究では、運動することで転倒が23%減少したという結果があります。バランス訓練や機能的訓練も同じ程度の効果があり、組み合わせて行うと、さらに有効です。

今回、特におすすめしたい運動は片足立ちです。1日3回、1分間を両足行うことでバランス能力の改善、足の筋力の維持・向上が期待できます。はじめは10秒でも構いません。ふらつく場合は椅子や机などを支えにして、安全に配慮した上で行うようにしましょう。
当院理学療法士より

効果的な栄養のとり方

骨粗しょう症予防の食事でカルシウムが大切なことはよく知られていますが、カルシウムの吸収を助けるビタミンDや、骨の形成を促すビタミンKを含む食品を摂ることも重要です。
ビタミンDは魚・きのこ類、ビタミンKは納豆や緑黄色野菜などに多く含まれます。カルシウムが豊富な乳製品・大豆製品に加え、これらの食品を毎食一つプラスしてみましょう。きのこ類をあらかじめカットし、冷凍保存しておくとスープや炒め物に簡単にプラスできます。調理不要の納豆も手軽でお勧めです。「主食・主菜・副菜のそろったバランスの良い食事」を基本に、健康な骨作りに必要な栄養素を積極的に摂ることを心掛けていきましょう。
当院管理栄養士より
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