胆嚢癌

胆道癌(胆嚢癌、胆管癌、十二指腸乳頭部癌)

 早期発見が難しい胆道癌に対しては、リンパ節郭清を伴う拡大肝葉切除術や膵頭十二指腸切除術を標準術式とし、癌浸潤を受けた血管の合併切除・再建術を併施することにより切除率の向上に努めています。また、治療成績向上のため、術後の補助化学療法も行っています。

胆嚢癌

 胆嚢癌の好発年齢は60-70歳代で、男女比は1:2と女性に多く見られます。進行癌で発見された場合は治療困難な悪性腫瘍のひとつと考えられています。
 早期癌の段階ではほとんど症状が現れず、血液検査でも正常で、人間ドックなどの検診腹部超音波検査で発見されることがあります。また胆嚢結石を合併していることが多く、胆石の症状(上腹部痛など)で検査した際に胆嚢癌の合併が見つかる場合があります。進行してくると、右上腹部の痛み、食欲不振、体重減少、腹部腫瘤、黄疸などがみられます。胆嚢の病変の有無を検索するためにまず腹部超音波検査を行い、その結果で必要と判断された場合には、CTやMRIが行われます。これにより、胆嚢癌の確認および周囲臓器への進展状況や、他の臓器への転移の有無などが確認されます。そして必要な場合にはさらに詳しい検査をすることがあります。

胆嚢癌の病期(病気の進行度)

胆嚢癌がどの程度進行しているかをあらわす目安を病期といい、日本胆道癌取扱い規約第6版(2013年)では0期からIVB期に分類されています。

0~I期癌が胆嚢壁の粘膜内にとどまっており、リンパ節転移もない状態です。
II期癌が胆嚢粘膜より深く浸潤しているものの壁内にとどまっており、リンパ節転移がない状態です。
IIIA期癌が胆嚢壁の外に露出するか、周囲臓器(肝、十二指腸、胆管など)の1か所に直接食い込んでいるが、リンパ節転移はない状態です。
IIIB期癌本体の広がりはIIIA期までと同様ですが、領域リンパ節(胆嚢周囲のリンパ節)に転移がある状態です。
IVA期癌が肝臓以外の周囲臓器に2か所以上に食い込んでいるか、あるいは重要な血管(門脈、固有肝動脈、総肝動脈)に食い込んでいる状態です。
IVB期癌の本体の広がりはIVA期と同様ですが、離れた別の臓器(胆嚢から離れた部位の肝実質、肺、骨、リンパ節等)に転移を認める状態です。

胆嚢癌の治療

胆嚢癌の治療は、現在のところ切除手術のみが根治的な治療法です。
切除術式は下図のように、胆嚢癌の病変存在部位と進展範囲に応じて変わります。
胆嚢癌が粘膜内にとどまっている場合には、胆嚢摘出術のみの治療となりますが、進行癌になれば、周辺臓器(たとえば肝臓・胆管・膵臓・十二指腸・大腸など)の合併切除、広範なリンパ節郭清が必要になります。 進行胆嚢癌切除後には再発予防目的で抗がん剤治療を行っています。

治療成績

胆嚢癌 切除32例 全生存率
(2008-2014年)


3年生存率:84.8%
5年生存率:84.8%