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第31話 骨粗鬆症について

2011年9月 磐田市立総合病院 薬剤部
今回は骨粗鬆症(こつそしょうしょう)についてお話します。

骨粗鬆症とは?

骨粗鬆症は、骨の量が減って骨が弱くなり、骨折しやすくなる病気です。 骨粗鬆症自体による症状はほとんどありませんが、骨粗鬆症の人が骨折を起こすと、 背骨の変形や腰痛がおこったり、寝たきりの原因になることもあります。また、骨粗鬆症で背骨が変形し、 背中が丸くなると、胃や肺、心臓などを圧迫し、他の病気を引き起こすこともあります。 骨折やそれに伴うさまざまな障害を防ぐために、骨粗鬆症は、早く見つけ、早く治療を始めることが大切な病気です。

体の中ではたえず骨を壊す働きをする「破骨細胞」が骨を吸収(骨吸収)する一方で、骨を作る働きをする「骨芽細胞」が、 破骨細胞によって吸収された部分に新しい骨を作ります。(骨形成)。 これが骨の新陳代謝です。新陳代謝のバランスがくずれ、骨吸収が進み、骨形成が追いつかなくなると骨がスカスカになり、骨折しやすくなります。
骨粗鬆症は、骨吸収と骨形成のバランスが崩れるために起こります。正常の場合であると、 「骨吸収=骨形成」となり、骨粗鬆症の場合では、「骨吸収>骨形成」となります。

また、骨粗鬆症は、閉経による女性ホルモンの変化などのホルモンの変化、 栄養の偏り、運動不足、他の病気や病気の治療薬などによって骨の代謝に異常が生じることでも起こります。 骨粗鬆症の患者さんは女性が男性のほぼ3倍で、男女とも年齢とともに増加します。 今後、高齢化が進むにつれて、骨粗鬆症の患者さんはさらに増えていくと考えられます。

どんな人が骨粗鬆症になりやすい?

[ 内的要因 ]
  • 55歳以上の閉経後女性
  • 痩せている
  • ステロイドを服用している
  • 糖尿病や甲状腺の疾患を持っている
  • 家族に骨粗鬆症の人がいる

[ ライフスタイル ]
  • 喫煙者
  • アルコールの摂取の多い方
  • 運動しない・日光に当たらない

骨粗鬆症の薬物治療

骨粗鬆症は、加齢や閉経、食事や運動の習慣などが深く関わっています。 そのため骨の生活習慣病とも呼ばれ、食事療法や運動療法も骨粗鬆症の予防には欠かせません。 食事療法や運動療法を行うと同時に、骨粗鬆症と診断された場合には薬が治療の中心となります。 骨の吸収を防ぎ、骨量を増やす、あるいは骨の代謝を助ける薬を使って治療を行います。 また、腰や背中に痛みがある時は、痛みを取る薬も使います。

ビスフォスフォネート製剤

骨吸収を抑えることにより骨形成を促し、骨の量を増やす薬です。 骨粗鬆症の治療薬の中で最も有効性が認められている薬です。毎日服用するタイプ、週1回服用するタイプ、月1回服用するタイプの薬があります。

ビスフォスフォネート製剤服用時の注意点

  1. 起床時に飲んで下さい。空腹時に飲むと、薬の効果がうまく発揮されます。

  2. コップ一杯(約180cc)の水で飲んで下さい。
    ※薬の吸収が妨げられるのでお茶や牛乳、ジュースなどと一緒にのまないでください。
    ※深層水や硬度の高いミネラルウォーターも薬の吸収を妨げるのでさけてください。

  3. 水以外の飲食や、横になるのは飲んで30分後から。胃の中に水以外のものがあると、薬の吸収が悪くなります。

女性ホルモン製剤(エストロゲン)

女性ホルモンの減少が原因となる骨粗鬆症に有効です。
閉経期のさまざまな更年期症状を軽くして、併せて骨粗鬆症を治療する目的で用いられます。

選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM:サーム)製剤

女性ホルモンのエストロゲンは骨吸収の抑制作用を示します。
この薬は、エストロゲンと同じような働きをする薬で、骨吸収を防ぎます。

活性型ビタミンD3製剤

カルシウムやリンの腸管からの吸収を高めるとともに、骨形成と骨吸収のバランスを整えます。
カルシウム不足が主な原因となっている場合や、高齢者などに勧められている薬です。

ビタミンK2製剤

骨芽細胞に作用することで骨形成を促進し、同時に骨吸収を抑制することで、骨代謝のバランスを整える薬です。

カルシトニン製剤

骨吸収を抑える作用があり、骨粗鬆症による痛みを抑える効果があります。
参考資料アステラス製薬ホームページ(別ウィンドウで開きます)