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第28話 Hibワクチンについて

2011年3月 磐田市立総合病院 薬剤部

Hibとは?

インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)は、「インフルエンザ」という言葉を含んでいるので紛らわしいですが、冬にインフルエンザの大きな流行を起こすインフルエンザウイルスとは関係ありません。その中でも重篤な全身感染症に関与するのは莢膜をもったb型株が大部分であり、
インフルエンザ菌 = Haemophilus influenza typeb を略して「Hib」とよんでいます。(以下Hib)

いつ、どのくらいの人がかかるの

Hib感染症の約85%は、0~4歳の乳幼児で見られます。ですから、乳幼児で特に注意すべき感染症です。多くは肺炎や中耳炎などの局所の感染ですが、Hib感染症の重篤なものとして髄膜炎があります。有効な予防接種(ワクチン)が行われるようになる前には、欧米においては、Hibは5歳未満の細菌性髄膜炎の病原体の主要なものでした。

日本の感染症発生動向調査では、1999年4月~2001年12月に国に報告された細菌性髄膜炎患者数は、763例でした。年齢層では0歳が29%、 1~4歳が29%と、0~4歳で半数以上を占めています。男性456例に対して女性307例といずれの年齢層でも男性が多いです。763例中、病原菌名が判明し国に報告されたものは約半数で、 ヘモフィルス-インフルエンザ菌が143例と最も多く、 肺炎球菌が90例でこれに次いでいます。以下、 B群レンサ球菌22例、 大腸菌14例などでした。

かかるとどうなるの?

患者や健康な保菌者の鼻やのどから咳などで生じた飛沫中にHibが含まれていることがあります。この飛沫を吸い込むことなどにより、Hibは、人の鼻や口などから体内に入り、鼻やのどの粘膜に付着し定着・増殖します。この鼻やのどの粘膜へ定着した状態は、一時的なものであったり数ヶ月にわたったりしますが、何の症状も起こさず消滅してしまうことが多いです。健康な乳幼児の0.5%~3%で鼻やのどにHibが検出されます。健康な大人で検出されることは、まれです。
鼻やのどの粘膜に付着し定着・増殖した状態から、さらに体内へと侵入し感染を進めることが、少ないことながらありえます。血流に乗り、体内の離れた部位に新たな感染を起こします。このさらなる体内への侵入は、ウイルスやマイコプラズマによる上気道炎が引き金になるとも考えられています。Hibが髄膜に侵入し髄膜炎が起こることがあります。欧米の先進国では、Hib感染症の半数以上を髄膜炎が占めています。その他のHib感染症としては、喉頭蓋炎、蜂窩織炎、関節炎、肺炎、敗血症などがあります。 
Hib感染症へのかかりやすさは、年齢によって違います。生後6ヶ月頃までは、母親からもらった免疫によって守られています。
そのため、生後6~7ヶ月でHib感染症となる乳児が多いです。
5歳以上の年齢の人々の大部分は乳児期などに症状なしに感染して免疫を持っていることが多いため、5歳以上では、Hib感染症となることは少ないです。

Hibワクチンとは?

細菌性髄膜炎のうちHibが原因となる感染症を予防するワクチンです。
日本では2008年に発売され任意で接種することが出来ます。

Hibワクチンの安全性は?

Hibワクチンの主な副反応は、接種部位の赤みや腫れでそのほかの発熱が数%報告されています。これらは通常一時的なもので数日以内に消失します。また、Hibワクチンは製造工程にウシ由来の成分が使用されていますが、海外で使用開始されてから、ワクチンが原因でTSE(伝達性海綿状脳症)にかかったという報告は現在までありません。

Hibワクチン接種はどうすればいいの?

かかりつけの小児科で接種を受けることができます。望ましい接種スケジュールは、生後2~7カ月で開始し、4から8週間あけて計3回接種します。その後は1年後に追加接種を1回します。この時期は百日せきジフテリア破傷風混合(DPT)ワクチンの接種時期ですが、同時接種が可能です。また、すでに望ましい接種年齢を過ぎていても5歳までは接種することができます。
詳しいことはかかりつけの医師にご相談ください。
参考資料第一三共株式会社 アクトヒブ説明資料