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くすりの話

第17話 高齢者とくすり


2008年1月/磐田市立総合病院 薬剤部
60、70歳…と年齢が進むと薬を飲む機会が増えてきます。
今回は、高齢者が特に注意してほしいことを中心にお伝えします。

1. 飲んだかなあ??

高齢になると、記憶力の低下などで「薬を飲んだか、飲んでいないか」を忘れてしまう場合があります。一度にたくさん薬を飲む方は、医師や薬剤師に相談して「一包化包装」にしてもらう方法もあります。介護する方は、高齢者の方でも判りやすいように、ピルケースなどで工夫してあげる事も必要です。

2. 薬が飲み込みにくい!!

医師や薬剤師に苦手な薬の形があることを伝えて、可能な限り飲みやすい形の薬に変えてもらいましょう。高齢になると、飲み込む力が衰えてきます。飲みにくいからといって、自分で勝手に錠剤をつぶしたり、カプセルを開けて飲んではいけません。

3. 薬の飲みかた、飲ませ方

錠剤やカプセルなどの薬を寝たままの姿勢で飲むと、食道で止まってしまい、深刻な副作用が発生する場合があります。基本的には、上半身を起こした状態で飲んでください。

4. 医師の指示通りに!

勝手に薬を飲むのをやめたり、量を増やしたりするのは危険です。
少しでも変だと感じたら、医師、薬剤師に相談してください。

5. 副作用について

高齢になると、腎臓や肝臓の働きが低下してきます。
そのため、薬の分解や吸収も悪くなり副作用が起きやすくなります。

6. こんなことにも注意!

錠剤やカプセルなどの薬の包装はたいてい銀色のシートに包まれています。
時々、取り出した薬と一緒に、包装紙まで間違って飲んでしまう事故が発生しています。充分に気を付けましょう。

かかりつけの薬局を持ちましょう

高齢になると、内科、整形外科、眼科…など複数の診療科に受診し、それぞれの科でたくさんの薬が処方されることもあります。一番注意しなければならないことは、「薬の重複」です。特に痛み止めや抗菌薬などは重複することが予想されます。全く同じ薬ではなくても、同じような効果の薬が処方されていることもあります。また、相性の悪い薬を同時に服用すると効き目が弱くなったり、強くなりすぎたりして、期待した治療効果が得られない場合もあります。
「かかりつけの薬局」をもっていれば、あなたの薬歴を作ってくれますので、薬の重複や、悪い飲み合わせを防ぐことができます。

おくすり手帳を活用しましょう

おくすり手帳は、あなたが今まで服用したり、使ったりしたお薬の名前やのむ量 、そして過去に経験した副作用などを継続的に記録するための手帳です。
病院にかかったときに、このおくすり手帳を医師に見せることによって、薬の重複を未然に防ぐことができます。おくすり手帳は「かかりつけの薬局」の薬剤師に相談すれば、手に入れることができます。使い方がよくわからない方も、遠慮なく気軽に薬剤師に相談してください。

薬の保管について

病院から処方される薬

病院から処方される薬には「使用期限」が書かれていません。屯用の解熱剤や痛み止めなど、症状が改善し飲み残してしまった薬は原則として処分してください。残った薬を保管しておいて別の機会に飲んだり、別のご家族が飲んだりするのは大変危険です。同じ症状に見えても別の病気だったり、体質や持病の関係で飲んではいけない薬の可能性があります。きちんと医師の診断を受けて、新しい薬をもらいましょう。

OTC薬(処方箋なしで買える薬)

OTC薬(処方箋なしで買える薬)など使用期限の書かれている薬は期限を過ぎたら必ず処分しましょう。定期的に薬箱のチェックをして、常備薬などの使用期限を確認します。
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