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ホーム  > くすりの話  > 第14話 糖尿病療養指導士

第14話 糖尿病療養指導士

2007年4月 磐田市立総合病院 薬剤部
今回は糖尿病、特に糖尿病療養指導士についてお話します。

日本国内の糖尿病患者は年々増加しており、これに基づく合併症(図.1)も増加しています。よい血糖コントロールを維持すれば、合併症の発症や進展が予防できることが明らかとなっています。

図.1:糖尿病の合併症(厚生労働省ホームページより改変引用)

糖尿病は自己管理の病気であるといわれるように、患者様自身が治療法を十分に理解し、日々の生活の中で実行していく必要があります。糖尿病の治療は、食事療法、運動療法をはじめ、薬物療法(経口薬服用、インスリン自己注射)、自己血糖測定と幅広く、これらを習得することは必ずしも容易ではありません。多くの患者様が正確かつ最新の情報を得て自己管理法を習得していくためには、それらの知識をもち、かつ指導法に精通した専門家、すなわち糖尿病療養指導士の援助が必要となります。

日本糖尿病療養指導士とは、糖尿病とその療養指導全般に関する正しい知識を有し、医師の指示の下で患者様に熟練した療養指導を行うことのできる医療従事者に対し、日本糖尿病療養指導士認定機構が与える資格です。

資格の取得には2年以上の糖尿病の患者様への指導経験や講習会への参加など「表.1」のような条件が課せられ、日本糖尿病療養指導士認定機構が行う試験に合格しなければなりません。

現在同様の制度がカナダ、オーストラリア、ニュージーランド、イギリスにおいても実施されており、患者教育に成果をあげています。

表.1 糖尿病療養指導士の受験資格

1看護師、管理栄養士、薬剤師、臨床検査技師、理学療法士のいずれかの資格を有していること
2機構の指定する条件を満たす医療施設において、現在または過去10年以上に2年以上継続して糖尿病患者の療養指導業務に従事した方で、かつこの間に通算1,000時間以上糖尿病患者の療養指導を行ったこと
3(2)の「糖尿病療養指導業務に従事した期間」に携わった糖尿病糖尿病療養指導の自験例10例以上あること
4本機構が開催する講習会を受講し、受講終了証を得ていること
日本糖尿病療養指導士受験ガイドブック2005-2006より

多様な指導内容について、各専門職種が「表.2」のように密接な関係を保ち、専門性を生かしたチームアプローチを行うことが必要です。この場合、糖尿病の患者様へ教育を行うにあたって、治療計画、実施手順、評価に関する施設内統一が大切となります。当院では糖尿病治療に携わる医師、看護師、薬剤師、管理栄養士、臨床検査技師が定期的に会議を開き、よりよい糖尿病教育を提供できるよう努力しています。もちろんこの医療チームには糖尿病療養指導士の資格を有するスタッフが含まれています。

表.2 糖尿病療養指導士の役割分担の例

療養指導項目看護師
准看護師
管理栄養士
栄養士
薬剤師臨床検査
技師
理学療法士
継続自己管理の意識づけ
食事療法
栄養管理と評価
献立、調理等の理論と実践
運動療法
インスリン自己注射
服薬指導
血糖自己測定
生活指導
療養指導の計画づくり
療養指導の評価
日本糖尿病療養指導士受験ガイドブック2005-2006より改変引用

当院の薬剤部においても、平成18年の春に2名の薬剤師が日本糖尿病療養指導士の資格を取得しました。薬剤師の糖尿病療養指導士は表2にあるような教育入院の患者様への服薬指導、糖尿病教室での指導のみならず、外来患者様へのインスリン自己注射指導など様々な活動をしています。糖尿病の薬物療法をはじめとして、糖尿病やその療養について不明な点やご相談がありましたら、気軽にご相談ください。