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ホーム  > くすりの話  > 第12話 女性ホルモンと更年期障害

第12話 女性ホルモンと更年期障害

2006年10月 磐田市立総合病院 薬剤部
今回は女性ホルモンについてと更年期障害とその薬物治療についてお伝えします。

女性ホルモンとは

女性ホルモンとは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)という二種類のホルモンのことです。特にエストロゲンは女性生殖器以外に、身体の健康維持に重要な役割をはたしており、女性の身体に大きな影響を及ぼします。

女性ホルモンは脳から分泌されるホルモンによって調節されています。視床下部というところからゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)放出ホルモン (GnRH)というホルモンが分泌されて脳の下垂体を刺激すると、下垂体からゴナドトロピン(性腺刺激ホルモン)である卵胞刺激ホルモン(FSH)と黄体 形成ホルモン(LH)が分泌されます。FSHとLHが働いて、主に卵巣から女性ホルモンが分泌されます。

血中の女性ホルモンの濃度が上昇すると、視床下部や下垂体に抑制をかけ、FSHとLHの分泌を抑制し、女性ホルモンの分泌を抑制します(このことを「打 ち消しの」という意味でネガティブフィードバックといいます)。逆に血中の女性ホルモンの濃度が低下すると、FSHとLHの分泌を促進し、女性ホルモンの 分泌を促進します(このことを「肯定的な」という意味でポジティブフィードバックといいます)。

〔図:女性ホルモンの分泌と調節機構 参照〕

更年期とは、更年期障害とは

更年期とは、卵巣機能が減退し始め、消失するまでの時期にあたるとされ、一般的には閉経の前後数年間をい います。閉経前の女性の身体では、エストロゲンとプロゲステロンが、周期的に分泌されているのに対し、更年期では、卵巣機能低下に伴い、エストロゲンの規 則正しい分泌がなくなってしまいます。
エストロゲン分泌低下によるポジティブフィードバックにより下垂体から分泌されるFSH、LHが増加します。更年期障害は過剰分泌されたFSHとLHが自律神経中枢に影響を及ぼすために発生すると考えられています。
更年期障害の症状は自律神経失調から生じた多彩な症状を呈する不定愁訴で、大きく4つの種類に分けられます。
1血管運動神経症状ホットフラッシュ(のぼせ、ほてり、発汗など)、手足の冷え、動悸など
2精神神経症状易怒性、焦燥感、憂うつ感、不眠、頭痛、めまいなど
3知覚神経症状手足のしびれ、手足の感覚鈍化など
4運動器官への症状易疲労感、肩こり、手足の痛み、腰痛など

更年期障害の薬物療法は

更年期障害で用いられる治療法にホルモン補充療法があります。エストロゲン欠乏を補う目的で、エストロゲンとプロゲステロンを投与する方法です。しか し、乳がんや子宮体がんにかかっている方、肝臓の悪い方など、ホルモン補充療法を受けられない方がいらっしゃいます。また、長期間ホルモン補充療法を受け る場合は子宮がん検診、乳がん検診、肝機能検査などの定期検査が必要です。
そのほかに漢方薬が使われたり、イライラなどの精神症状に対して抗うつ薬、抗不安薬などが処方されたりすることがあります。

更年期障害の症状は個人差が大きく、各個人にあった治療法を行っていきます。気になる症状は医療機関にご相談ください。
参考資料あすか製薬パンフレット