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平成25年3月

3月4日(月曜日)

AM9時30分~10時30分
新患カンファレンス
ケース:55歳男性
主訴:微熱、腰痛、右片麻痺、構音障害(担当:1年目研修医 三輪)
診断:感染性心内膜炎(MR、MSSA)、化膿性椎体炎・椎間板炎、多発性脳塞栓
指導医から一言:「またまたIEの症例でした。感染経路は不明ですが、腰痛に対して針治療の歴があります。起因菌はMSSAですから矛盾はしませんね。 多発性脳塞栓症と化膿性椎体炎・椎間板炎を合併していました。腰痛の患者さんではIEは要注意ですね。 腰痛のレッドフラッグサインをしっかり聴取する必要があります。また、身体診察ではばち指がみられました。研修医の三輪君はしっかり見つけてくれました。 すばらしい!ばち指の発症メカニズムと原因疾患の復習をしました」

3月5日(火曜日)

AM7時30分~8時00分
ケースブック抄読会 100 cases in general practice(担当:1年目研修医 後藤)
CASE18: Chest pain
指導医から一言:「自然気胸のケースでした。しかし、説明できない発汗過多がありました。 このケースでは患者さんのすべての症状や所見をその診断で合理的に説明できるかを検証する必要性を強調していました。 確かに誤診を防ぐためにはとても大切な作業ですね」

3月6日(水曜日)

AM9時30分~10時00分
ミニレクチャー:かぜ診療について(2)(内科 寺田)
指導医から一言:「今日を肺炎の診断の話です。特に市中肺炎の6つについて、診断に有用なH&Pの特徴をまとめました。 また、胸部XPをいつとるか?胸部XPの限界についてもみんなで議論しました。発熱、咳、痰を訴える老人では、 X線で浸潤影が指摘できなくても安心できませんよね。悩ましいですが、やはり呼吸数、脈拍数、SpO2とリスクから総合的に判断して、 抗菌薬の処方や入院を考えることが必要ですね」

3月8日(金曜日)

AM7時30分~8時00分
ERピットフォールカンファレンス(担当:1年目研修医 中村)
ケース1:78歳男性
主訴:発熱、座位がとれない、呼吸困難を訴えるパーキンソン病患者
診断:肺炎、A型大動脈解離、心嚢水貯留(多分、血性)、小脳梗塞
指導医から一言:「基礎疾患にパーキンソン病があり、嚥下障害や運動障害が以前からあったため、肺炎による全身状態の悪化ですべてを説明しようとしていました。 ところが胸部および頭部CTでA型大動脈解離を認め、心タンポにはなっていなかったものの心嚢水の貯留と小脳病変を認めました。 ちなみに胸背部痛の訴えはありませんでした。いやはや、基礎疾患を持つ老人の急変ではこのような心理的エラー(早期閉鎖?)に陥ってしまう危険性が高いことから、 いつでも確定診断を下す前に『すべての症状や所見をその診断で合理的に説明できるかを検証する』姿勢は必要だ!と痛感しました。 老人ではオッカムの剃刀は通用しませんね~」
ケース2:3歳男児
主訴:腹痛
診断:小腸捻転によるイレウス、腸管壊死
指導医から一言:「夜間のERでは便秘が原因の小児の腹痛をしばしば経験します。このケースもあぶなかった~。間欠性の腹痛で通過障害を疑わせるも、 腹部所見に乏しく、全身状態も良かったことから浣腸のみで帰宅させるところでした。でも当直医の『ちょっとおかしい』(Gut feeling)で、 3歳の小児では少し垣根が高い腹部CTを行い小腸の著明な拡張と腹水を認め、小児科と腹部外科コンサルトとなりました。開腹所見では当初疑っていた、 内ヘルニアの所見は認めず小腸捻転?と診断されたようです。いずれにしても、回腸を中心に広範な腸管壊死を認め広い範囲の腸管切除が必要でした。 後付ですが動脈血ガス分析所見で著明な代謝性アシドーシス(乳酸)を認めていました。これは、腸管壊死のサインですよね」

AM9時30分~10時30分
新患カンファレンス
ケース:26歳男性
主訴:汎血球減少症(担当:1年目研修医 酒井)
診断:ビタミンB12欠乏?(確定診断は未)
指導医から一言:「汎血球減少症(大球性貧血)の鑑別診断をみんなで議論しました。マルクも含め広範な検索が行われていましたが、 ビタミンB12の中途半端な低下(120程度)のみが引っかかりました。ところが、真のビタミンB12欠乏の診断に対するビタミンB12値の感度、 特異度は確立されていないようですね。家庭医レジデントのひとりがビタミンB12値が100~300の場合、メチルマロン酸とホモシステイン値の 測定が有用とのことを教えてくれました。勉強になりました!みんなであれでもないこれでもないと議論するのは楽しいですね」

3月11日(月曜日)

AM9時30分~10時30分
新患カンファレンス
ケース:86歳 男性
主訴:嘔気、嘔吐、頻呼吸、口渇(担当:1年目研修医 佐原)
診断:糖尿病性ケトアシドーシス
指導医から一言:「元々、コントロール不良の糖尿病がある患者さんで、妻が亡くなったのを契機に飲酒量が増えDKAを発症したケースでした。 妻に先立たれた夫は長生きできないと言われていますが、正にその通りですね。もちろん、悲しいかなその逆は決して真ではありません。 何か男の寂しさを感じました。頻呼吸は著明な代謝性アシドーシスが原因ですね。DKAは消化器症状で受診することが多いですが、 そんな時でも強い口渇の存在はDKAを強く疑わせます。また、尿定性検査のケトン体はアセト酢酸のみに反応するため、3ハイドロキシ酪酸が増加することが 多いDKAでは尿の定性反応でケトン体陰性でもDKAを除外できないことに注意しましょう」
AM10時30分~11時00分
ミニレクチャー:かぜ診療について(3)(内科 寺田)
指導医から一言:「高熱のみが症状の患者の診方について解説しました。やはり敗血症がないかしっかり診察するのが最も大切ですね。 勿論、診断には血液培養2セットが最も大切ですが、バイタルサイン特に呼吸数、心拍数と原因のはっきりしない○○の時には必ず敗血症を疑うことが大切です。 ○○は発熱はもちろんのこと、意識障害、低体温、低血糖、過呼吸、アシドーシス、神経所見、など色々はいります」

3月12日(火曜日)

ケースブック抄読会 100 cases in general practice(担当:1年目研修医 岡田)
CASE22: circumcision request
指導医から一言:「日本ではめったにお目にかかることはない儀式的な割礼に関するケースでした。患者さんの文化的背景(民族、宗教、言語、出身地など)に 配慮することは、グローバル化が進む日本でも益々必要な態度だと感じました。この辺ではブラジルの方が多く、初診外来では必ず2~3名くらいの患者さんが 受診します。ブラジルの文化についてもっと学ぶ必要がありますね」

3月13日(水曜日)

AM9時30分~10時00分
ミニレクチャー:困難な患者の診かた:身体化障害(内科 寺田)
指導医から一言:「まず、困難な患者さんを診察する時の医師の感情について議論しました。逆転移といった感情的反応に我々医師は もっと注意を払うべきだと感じました。また、簡易精神療法の1つとして“BATHE法”を紹介しました。明日の診療から使ってみましょう。 最後に身体化障害の本質は『症状』、『原因』に対するとらわれであるという見地から対応方法についてまとめてみました」

3月15日(金曜日)

AM7時30分~8時00分
ERピットフォールカンファレンス(担当:1年目研修医 中村)
ケース1:95歳女性
主訴:黒色便
診断:鼻出血
ケース2:80歳女性
主訴:吐血
診断:ワーファリン増量によるINR延長に起因する胃粘膜からの出血
指導医から一言:「鼻出血を上部消化管出血と見誤ることがありますね。でも、鼻出血が疑わしくても必ずしも上部消化管出血は否定できませんから GIFは必要なことが多いように思います。ワーファリンによる出血傾向も時々お目にかかりますね。ワーファリンの拮抗薬としてはビタミンKが使われますが、 緊急性が高い時は、FFPの点滴ですね」

AM9時30分~10時30分
ミニレクチャー:かぜ診療について(3)(内科 寺田)
指導医から一言:「①熱・倦怠感型、②発熱+頭痛型、③発熱+消化器症状型についてまとめてみました。 ①では急性肝炎、急性心筋炎は見逃してはいけない疾患の代表です。②はルンバールをするかしないかの判断がむつかしいところです。 現実的には患者さんと相談して決定することが多いです。勿論、ウイルス性髄膜炎疑いの場合です。③のポイントは簡単に『急性胃腸炎と診断するな』 ということですね。嘔気・嘔吐だけ、突然の嘔吐、腹痛がない、下痢がない、場合に、急性胃腸炎と気軽に診断してしまうとひどい目に合うかもしれません。 急性心筋梗塞やくも膜下出血、小脳出血が隠れているかもしれません」

3月18日(月曜日)

AM9時30分~10時30分
新患カンファレンス
ケース:46歳男性
主訴:腹痛(担当:1年目研修医 酒井)
診断:重症急性膵炎
指導医から一言:「大量飲酒が契機となった重症急性膵炎のケースでした。診断には特に問題はありませんでしたが、 多臓器不全と強い疼痛のために治療に苦慮しました。人工呼吸器による管理とCHDFを行いました。膵炎の重症度分類は治療法の選択や予後判定に有用であると 実感しました。皆さんお酒の飲みすぎには気を付けましょう」
AM10時30分~11時00分
ミニレクチャー:かぜ診療について(4)(内科 寺田)
指導医から一言:「最後のかぜ診療の話。①発熱+関節痛、②発熱+皮疹、③発熱+頸部痛、についてまとめました。個人的には皮疹には苦手意識が強いです。 また、頸部痛は勉強してみると、急性喉頭蓋炎や深頸部細菌感染など結構怖い病気が多いですね」

3月22日(金曜日)

AM7時30分~8時00分
ERピットフォールカンファレンス(担当:1年目研修医 中村)
ケース1:89歳女性
主訴:意識障害
診断:腎機能悪化によるサンリズム血中濃度上昇による心室性頻拍症の疑い
指導医から一言:「突然発症の意識障害で救急搬送された患者さんです。救急隊の心電図モニターでVTの疑いあり。内服歴から上記と診断しました。 ERでのECGではQT延長とQRS幅の増大を認め、入院後のECGモニターでtorsade de pointsが出現していました。サンリズム(Ic)は レートコントロールが出来ているAfのリズムコントロール目的で比較的気軽に使ってしまう不整脈薬です。勿論、QT延長の作用もあり高齢者には注意が必要ですね。 ちなみに、wide QRS tachycardiaがVTか?SVTかの鑑別に悩むことがありますね。ほとんどの場合、ECG上wide QRS tachycardiaと分かった段階で 循環器コンサルトですが(循環状態が不安定ならば除細動)、個人的には身体診察ではfrog sign(頸部でJVの拍動が見られるか否か)の有無、 ECG上V1~V3でのRS complexの有無やPR間隔の短縮+V1~V3でRの増高(これは、WPW症候群)を参考にしています」
AM9時30分~10時30分
新患カンファレンス
ケース:62歳男性
主訴:顔面浮腫(担当:1年目研修医 佐原)
診断:小細胞肺がんによる上大静脈症候群(ステージIV)
指導医から一言:「浜松医大の学生さんも参加して診断推論の議論をしました。H&Pで上大静脈の閉塞・狭窄まではたどり着きましたが、 原因として肺がんの診断まではいけませんでした。でも、とても熱心に考えてくれました。もう少しだったね、次は診断まで行けるよ!」
AM10時30分~11時00分
ミニレクチャー:薬疹を診る時のポイント(内科 寺田)
指導医から一言:「重症化予知因子は発熱、粘膜症状、水疱、倦怠感の出現、あれば即入院」

3月25日(月曜日)

AM9時30分~10時30分
新患カンファレンス
ケース:70歳男性
主訴:労作時呼吸困難(担当:1年目研修医 三輪)
診断:慢性肺塞栓症
指導医から一言:「むつかしいケースでした。症状は1か月前から徐々に増悪するDOEでした。病歴上PEの危険因子はなく、 身体診察上も右室負荷の所見を指摘できませんでした。胸部XP、ECG、心エコーでも異常はなく、後付けですが検査所見で参考になったのは、 Dダイマーの著明高値でした。いやはや臨床ってやっぱりむつかしいな~。勿論、ディスカッションの中で鑑別診断には大穴でPEは挙がっていたけど、 まさか~っていう感じでした。」
AM10時30分~11時00分
ミニレクチャー:肺塞栓症について(1)(内科 寺田)
指導医から一言:「PEの診断における、Dダイマーの意義についても議論しました。DダイマーはSnoutですから、Wellsの基準などで検査前確率が低い場合の 除外診断のために有用であるという位置づけですね。でも、検査前確率が低い場合でも、Dダイマーが著明高値の場合はある程度のLR+は期待できると思います。 PEはほっておけば死亡率50%の病態ですから、検査後確率が20%くらいでも無視できませんよね。このへんが臨床の奥の深さですね~」

3月26日(火曜日)

AM7時30分~8時00分
ケースブック抄読会 100 cases in general practice(担当:1年目研修医 鄭)
CASE20: confusion
指導医から一言:「老人のせん妄の原因は多岐にわたります。このケースのような呼吸器、尿路感染症をはじめ、頭部外傷、薬剤、電解質異常、 脱水の鑑別は特に大切です。高齢者は自他覚症状が一般成人に比べてはっきりしないことに加えて、詳細な病歴聴取が困難な場合も少なくありませんからね」

3月27日(水曜日)

AM9時30分~10時00分
ミニレクチャー:不明熱(1)(内科 寺田)
指導医から一言:「不明熱の診療は内科医にとって、腕の見せ所であると同時に、チャレンジングなテーマですね。 全身状態が安定している場合は比較的落ち着いて診療できますが、不安定な場合は『早く診断をつけて適切な治療を行わなければ』と不安になりますね。 不明熱に対する苦手意識を無くすには、不明熱を『わけのわからない発熱』ととらえるのではなく、しっかりと定義に当てはめて不明熱と診断し、 その上で不明熱に関する疫学データを用いながら系統的にアプローチすることだと考えています。どんな分野にしろ、戦いを勝ち抜くにはまず相手を よく知ることからですね」

3月29日(金曜日)

AM9時30分~10時30分
新患カンファレンス
ケース:87歳女性
主訴:10日前からの微熱と全身の痛み(担当:1年目研修医 酒井)
診断:リウマチ性多発筋痛症(PMR)の疑い
指導医から一言:「高齢者が四肢の痛みのために動けなくなって、ESRなどの炎症反応が思いの他高値の場合考えますね。 特異的な診断のための指標はありませんから、膠原病、血管炎症候群、悪性腫瘍、IEなどの感染症をしっかり除外することが大切です。 少量のステロイドが極めて有効なので、他院で診断がつかなかったケースなどでは、患者さんにとても喜んでもらえますね。良性疾患ではありますが、 有効な治療法があるこのような疾患は絶対見逃せませんね」
AM10時30分~11時00分
ミニレクチャー:血管炎症候群の考え方とPMR(内科 寺田)
指導医から一言:「一般的に血管炎症候群は主に障害される血管の太さによって分類されています。比較的細い動脈や毛細血管が障害される疾患 (顕微鏡的PN、ウエジェナー肉芽腫症、チャーグ・ストラウス症候群など)は特定の臓器障害(特に腎臓、肺、神経)が出現しますが、 太い血管しか障害されに場合(高安病、PMR、側頭動脈炎など)は特定の臓器障害を呈さずに、発熱・倦怠感のみといったケースもあり、 診断に難渋することもあります。いずれにしても、確定診断には病理所見が必須ですから、どこか生検できる病変がないか、 注意深く全身を診察する必要があります」