グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


ホーム  > 病院だより・道しるべ  > 道しるべ Vol.32

道しるべ Vol.32

当院に、フロアマネージャーがいるようになりました。
患者さまの案内や受付機械の操作案内等、フロア内で迷っている患者さまに積極的に声をかけ、プラスαの患者サービスを行います。気軽にお声をおかけください。


看護、 それは感動!



看護部長 原田みずえ
今から10年ほど前の事です。当時、病棟看護婦長として臨床現場を預かっていました。日々の患者様と関わりを通して、いろいろな事を考えさせられたり、感動を与えられたりします。その中で、強烈な感動を受けた患者様がいらっしゃいました。

サラリーマンのご主人との間に小学3年生の一人息子がいる30代後半の専業主婦の方でした。その彼女に、ある日突然病魔が襲いかかりました。

膀胱がんがみつかり、膀胱摘出術をうけ、その後化学療法に移行しました。抗がん剤使用により、髪の毛はほとんど抜け落ち、食欲も低下して3度の食事を見ることも、彼女にとっては苦痛の様子でした。体重減少も著しく、見るからに辛そうではありましたが、ベッド上で編み物をしたり、気分転換に音楽を聴くなどして過ごされていました。

そのような身体的・精神的につらい時期にも拘らず、ご自宅への外泊を何度となく希望されるのです。

ある日、私は「無理をしてご自宅に帰られるより、ご家族に病院に来ていただいたら如何ですか?」と提案しましたところ、「私には時間がありません。この先、私が居なくなったときのことを考えると、息子に味噌汁やチャーハンの作り方を教えなくてはなりません。体は確かに大変ですが、今やらないとできなくなってしまいますから…」

このような状態下に置かれても、彼女は残される家族のことを思い、母親としての自分の役割を果たすために力を出し切ろうとしている姿に、鳥肌の立つほど感動したものです。どんなに苦しくても、人のために自己の役割を果たそうとするその真摯な姿勢は、人間としての在り方や尊厳さをも感じさせます。どのように生き、どのように終末を迎えるかということを深く考えさせられました。

一時的に退院が許されましたが、再度入院するのにそんなに時間はかかりませんでした。「婦長さん、ごめんなさい。精一杯頑張ったのですが、私はもう疲れました。これ以上頑張れない。」と目に涙をためて言われた彼女が愛おしく「お疲れ様。よく頑張りましたね。入院してゆっくり療養しましょう。」と思わず手を握り締めました。

多くの患者様との関わりを通して、看護の現場では多くの感動や勇気を頂き、学びを得ることができます。患者様の生き方に直に触れることによって、自分自身の生き方を振り返ることができます。

看護、まさにそれは感動です。

現場の一線で日夜奮闘している看護師たちが、看護に喜びと誇りを感じ、生き生きと看護に専念でき、またゆとりを持って患者様と触れ合える職場環境を整えることが最大の課題だと思っています。それにはまず、看護師自身が自分の言葉で看護を語り、自律した看護師でありたいものです。そして、チーム医療の中での看護師の役割を自覚し、他職種とも協力関係を築きあげていくことが大切だと感じています。

アトピー性皮膚炎と プロトピック軟膏



皮膚科医師 島田信一郎
先日痛ましいニュースを目にしました。“子供のアトピー性皮膚炎を苦に一家心中”。

アトピー性皮膚炎は命に関わる疾患ではありません。しかし、アトピーに罹患することで著しくQOL(生活の質)が低下してしまうことはまれではありません。アトピー特有の強い痒みから夜も十分に寝られず、勉強や仕事も集中できず、掻破により体中傷だらけになり、時に周囲から奇異の眼差しで見られます。現実として患者様やその御家族にかかるストレスは想像以上に強いのです。氾濫するアトピー治療・一人歩きするステロイド外用剤への恐怖から、実際軽度で済むはずのアトピーが非常に重症化し来院される患者様をまれならず目にします。

近年そんなアトピーに苦しむ患者様に画期的な薬が開発されました。免疫抑制剤であるタクロリムスを含有したプロトピック軟膏です。ステロイド外用剤は長期的に使用することで皮膚の萎縮・血管拡張などの副作用を来すことがあり、特に顔や首の皮疹には敬遠されてきました。しかし、プロトピック軟膏にはそのような副作用はなく、しかも顔や首の皮疹に特に有効であり、今までアトピー特有の赤ら顔で苦しんできた患者様がプロトピック軟膏を使用することで、明るい笑顔で再診して頂ける場面を数多く経験させて頂きました。現在の医学では全てのアトピー性皮膚炎を治すことはできませんが、これらの治療及び日常生活の改善でほとんどの患者様が良い状態を維持できると思います。そして再びこの様な悲しい事件が繰り返されないことを願って止みません。

むくみについて



腎臓内科医師 武田明日美
人間のからだの実に60%は水分です。この水分は血管や細胞の中、血管と細胞の間にわかれ適当なバランスを保っています。この血管と細胞の間の水分が増えた状態をむくみ(浮腫)といいます。むくみ自体はあまり困ることはありませんが、ひどくなれば胸やお腹に水がたまり呼吸が苦しくなったり、お腹が張ったり、下痢をしたりします。むくみはどのような病気でおこるのでしょうか? 全身のむくみでは腎不全、心不全、ネフローゼ症候群、肝硬変などの病気、部分的なむくみでは静脈環流障害やリンパ管閉塞、血管性浮腫をおこす病気が考えられます。

これらの病気のうち腎臓内科では腎不全やネフローゼ症候群などの診療にあたっています。腎不全になると余分な水や塩分をうまく尿として排泄できないため、水分が多くなりむくみができます。ネフローゼ症候群では主にタンパクが尿中にたくさん出てしまうことで血液中のタンパクが減ってしまい、むくみとなります。そして何よりも重要なことは、腎不全やネフローゼ症候群となる原因が急性、慢性腎不全、糸球体腎炎(原発性糸球体腎炎、糖尿病、アミロイドーシス、膠原病、血管炎)etc...さまざまな病気によるものであり、それによって症状や治療も異なるということです。

もちろん心配ないこともありますが、むくみを自覚することがあれば―例えば顔が腫れっぽい、朝起きて靴や指輪がきつかったり、体重が普段と比べ増えていたり、足や足のすね等を指で押してみてへこみが残るとき(残らない特殊なむくみもあります)―何らかの病気のサインかもしれないので一度受診してみることをおすすめします。

病院機能評価



経営企画室室長 田辺紀幸
病院機能評価とは、病院の機能の充実・向上を図り、質の高い医療サービスを提供していくための支援を目的に行われるもので、平成7年に設立された財団法人日本医療機能評価機構が第三者機関の立場から評価します。

具体的には、書面審査とサーベイヤーによる訪問審査、評価機構による認定審査の3段階からなります。評価項目は、次の6つの領域
「(1) 病院組織の運営と地域における役割」
「(2) 患者の権利と安全確保の体制」
「(3) 医療環境と患者サービス」
「(4) 医療提供の組織と運営」
「(5) 医療の質と安全のためのケアプロセス」
「(6) 病院運営管理の合理性」
に分類され、大項目72に対し、中項目178、小項目577と細分化されており、各項目は5段階(または3段階)の評価点数方式で評価を行います。また、審査・認定の有効期間は5年とされています。

当院も病院機能評価を受審し、平成15年12月に認定を取得いたしました。病院理念、病院基本方針などを掲げ、患者様主体の医療の推進、患者サービスの向上、そして医療安全の取り組みなどを組織が一丸となって精力的に推進してきた成果であります。ちなみに、審査初回での認定率は、平成13年度62%、平成14年度39.4%、平成15年度27.9%と、評価基準や評価項目が大幅に増えたこともあり、前年に比べて厳しい認定率でありましたが、審査初回で認定を取得することができました。(今年6月時点で全病院数9,122病院中1,663病院が認定されております。)

病院機能評価は、病院機能改善支援のためのツールであるといえます。院内に業務改善委員会を設置し、「自己評価票」の評価項目を利用して、定期的に病院機能を検証・評価し、問題がある項目についての改善活動を積極的に行っております。また、この活動を通じて病院組織全体で取り組むことによって、組織の活性化や医療の質に対する職員意識の向上にも結びつくものでもあります。

今後も、一度到達した評価レベルを維持しつつ、さらに高いレベルを目指し、継続して取り組み、地域の皆様に信頼される病院を目標に努力してまいります。