グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


ホーム  > 病院だより・道しるべ  > 道しるべ Vol.48

道しるべ Vol.48

2007年度から取り組み始めた5S活動も今年で4年目。5S(整理、整頓、清掃、清潔、しつけ)を実践することで病院経営の健全化と、そしてなにより医療安全につながります。今年も18部署が5Sの成果をポスターセッション形式で発表しました。


家庭医について



副病院長内科 寺田雅彦(てらだ まさひこ)
みなさん「家庭医」という言葉を知っていますか?多くの人は「家庭医」という言葉から「開業医」とか「かかりつけ医」のことを想像するのではないでしょうか。間違いではありませんが、残念ながら100%正解とはいえません。「家庭医」とは「家庭医療」を専門にする医師のことをさしますが、そもそも「家庭医療」とは何でしょうか?何となくわかりにくいですね。ところが欧米では内科を専門にする内科医、産婦人科を専門にする産婦人科医がいるのと同じ様に、40年以上も前から「家庭医療」を専門にする「家庭医」がいて、プライマリケアや地域医療において中心的な役割を担ってきました。また、欧米の医学部を卒業した学生の15〜30%が将来「家庭医」になるといわれています。すなわち、「家庭医」とは我々が思っているほどめずらしい専門医ではなく、「家庭医」がプライマリケアや地域医療を支えるのが世界の常識になっているのです。
それでは、再度「家庭医療」とは何でしょうか?1984年に日本家庭医療学会が定めた定義を引用してみます。
「家庭医療とは、家庭の一員としての個人の健康問題を解決するためのケアを基本とし、地域をも考慮に入れた医療をいう。それは対象者の年齢、性にかかわらず、地域の医療資源を有効に活用し、包括的・全人的ケアを継続的に行う医療である。その実践には地域の医療状況によりいくつかの形態がありうる。」
以上のような医療を実践するのが「家庭医」になるわけですね。学術用語の説明は難しいことが常ですが、この説明も御多分に洩れず難解でますますわからなくなってきましたね。
そこで、私はみなさんに「家庭医」を理解してもらうために、偉い先生方からのご批判があることを敢えて恐れず「家庭医」を「あなたとあなたの家族の健康を専門にするおせっかいな身近なお医者さん」と定義したいと思います。
それでは、ここからはある家族を例に具体的に説明してみます。
あなたは50歳の会社員です。会社の健診で今年初めて高血圧と高脂血症を指摘されました。また1ヶ月前からいつもの腰痛がひどくなり困っています。奥さんは45歳で1年くらい前から生理が不規則になり、最近のぼせや頭痛といった症状が気になっています。14歳の長男は春になるとくしゃみと鼻水がひどく勉強に支障があるようです。8歳の長女の小学校では最近おなかの風邪がはやっていて、今朝から彼女も下痢と嘔吐が出現しています。また、同居している80歳の父親は物忘れが徐々にひどくなり近頃では夜間にトイレの場所がわからなくなり失禁することが時々あります。父親の介護をしている75歳の母親は最近元気がなくふさぎこむことが多くなり、食欲が無く眠れないといっています。
どうですか?このような家族はけっこういますよね。従来ならばあなたは内科(大病院ならば循環器内科)と整形外科に、奥さんは更年期障害が疑われ婦人科に受診することになります。お子さんはそれぞれ花粉症と急性胃腸炎(冬ならばおそらくノロウィルス感染)で耳鼻科と小児科にかかり、おじいさんは認知症で神経内科、おばあさんは介護ストレスによるうつ病が疑われ精神科を受診する必要があります。家族みんながたくさんの専門医を受診しなくてはならず大変ですよね。ところが地域に「家庭医」がいるとどうでしょうか?「家庭医」は「あなたとあなたの家族の健康を専門にするお医者さん」ですから、上記のすべての健康問題に対応することができます。すなわち「家庭医」は年齢、性別を問わず一般的によくある健康問題の80%に対応できる能力を持つためのトレーニングを受けた専門医なのです。さらに、「家庭医」の守備範囲を示す言葉に「子宮から墓場まで」という表現があります。これは、8歳のお嬢さんが将来結婚して妊娠をすれば、妊婦検診はもちろんのこと分娩にも立ち会いますし、おじいさんが癌を患い人生の最後を家で迎えたいのならば在宅医療や在宅緩和ケアを行いそのお手伝いをすることもできます。
次に、「家庭医」は「おせっかいなお医者さん」です。患者さんから求められなくても、みなさんに必要な予防医学的指導、検診や予防接種を積極的にすすめます。ですから高血圧と高脂血症といった複数の動脈硬化の危険因子を持っているあなたが、たばこを吸っていれば禁煙指導を、奥さんには乳癌検診や子宮癌検診を行います。また、思春期の子供達には避妊指導やHPVの予防接種を、さらにお年寄りには肺炎球菌ワクチンを勧めることをします。頼んでもいないのにほんとうにおせっかいですね〜。
さらに、「家庭医」は「身近なお医者さん」です。一般的に家庭医は数名がグループを作って診療にあたりますので、24時間365日いつでも対応してくれますし、家族のみなさんを一生涯にわたって見守ってくれます。
どうでしょうか?こんな専門医である「家庭医」がいればいいと思いませんか?ということで、磐田市立総合病院、菊川市立総合病院、公立森町病院の3病院は平成22年4月から静岡県と磐田市、菊川市、森町の2市1町の支援のもと、プライマリケアや地域医療に極めて有用な「家庭医」を日本で育てるべく静岡家庭医養成プログラムをスタートしました。さらにこのプログラムは「家庭医療」の実践と教育において世界的に評価が高い(全米ランキング3位)ミシガン大学家庭医療科の全面的なサポートを受け、年に6名程度のアメリカ人指導医が家庭医養成のためにこの地域を訪問します。そして、すでにこの3病院では4名の将来「家庭医」を目指す若い医師達が研修を開始し、平成23年度はさらに8名の医師たちがこのプログラムで研修に加わる予定です。
市民のみなさまには、磐田市立総合病院での「家庭医」達の研修にご理解をいただくとともに、胸の名札に「家庭医」と記された医師を見たら是非とも「がんばれ」とお声をかけていただければ幸いです。彼らは将来日本の地域医療を支える医師となるためにますます奮起してくれると思います。尚、このプログラムや家庭医についてもっと知りたい方は静岡家庭医養成プログラムのホームページ(www.shizuoka-fm.org)を訪問してください。

みんなで支える緩和ケア



緩和医療科 中澤秀雄(なかざわ ひでお)
平成22年4月に当院はがん診療連携推進病院からがん診療連携拠点病院に格上げになりました。磐田市はもちろん、広く中東遠地域のがん診療に対して重い責任を負ったわけです。その内容は、がんの診断、治療ばかりでなく、予防(啓発)、早期発見(検診)、相談、統計、地域医療連携、医療者研修(教育)などを含みます。治療の中には先進的治療や緩和ケアも含まれます。
ところで、「緩和ケア」と聞いて何を思い出しますか?終末期やホスピスを思い浮かべた方もいらっしゃると思います。確かにそういう側面もありますが、それが総てではありません。実は、抗がん治療と緩和(的)治療の間には明確な線引きはありません。例えば大腸癌による腸閉塞に対して腸切除を行うのは癌を切除すること(抗がん治療)と、腸閉塞で食べられない状態を改善する(緩和する)こととの両方の意味を持ちます。抗がん剤治療は腫瘍を縮小させるだけではなく、痛みなどの症状を発現しないようにする意味が含まれていることがあります。また、抗がん剤の副作用(吐き気など)を、薬や生活の工夫などで軽減することも緩和ケアです。このように、早期から普通に行われるケアです。そして、ほんの少しお手伝いをするのが、外来なら緩和医療科、入院中なら緩和ケアチームです。
緩和ケアは緩和医療科、緩和ケアチームだけが提供するものではありません。主治医を中心とする医療チームは等しく誰でも提供できるように心がけていますし、随時研修も行っています。医療者ばかりでなくご家族もケアが出来ますので、何が出来るか、どうしたらいいか迷ったら担当者にお声を掛けてください。一緒に考えてみましょう。
病院では多職種が働いており、チームを組んで患者さん・ご家族のことを考えてケアを実践しています。私たち病院職員は患者さん、ご家族をこれからも支えていきます。

なぜ磐田なのか



研修医 真山剛(まやま ごう)
こんにちは、研修医1年目の真山です。僕は千葉に生まれ、転々とし、この4月に初めて静岡に来ました。よく「なぜ磐田に来たの?」と聞かれます。正直僕自身「これ」といった明確な答えはなく、その日の気分で答える内容を変えています。見学に来たときの印象はもちろん、都会を離れてみたいというのもある。しかし、一番の理由は恐らく自分の性格と育った環境でしょう。僕はこれまでの25年間、同じ場所に3年以上住んだことがありません。その落ち着きのなさが元となり、常に新天地を求め、新たな出会いに期待してしまう人間になってしまったようです。その流れで今はここ磐田にいる、と自分の中では整理しています。
磐田市立総合病院に来てはや半年、患者、指導医、看護師、技師、研修医仲間など多くの方々に助けられ、日々充実した研修生活を満喫しています。学生時代に抱いていた「研修医」のイメージは、社会から隔離され、ぼろ雑巾のように働くというものでした。しかし、この病院で研修してみると、常に学生であり続けたいという自分はどこへ行ってしまったのやら、今は日々の仕事・勉強が全く苦にならず、むしろ学生時代の怠惰な生活に別れを告げることができほっとしています。どれほど恵まれた環境で研修を行えているのか、今はそれを深く実感し、感謝しています。
これからも磐田市立総合病院のチームメンバーとして、少しでも頼りがいのある医師になれるよう切磋琢磨していきます。今後ともどうぞよろしくお願いします。

感謝、精進



研修医 橋本雄一(はしもと ゆういち)
1年目の研修医の橋本雄一です。2010年4月から磐田市立総合病院でお世話になってから早8ヶ月が経ちました。病棟の皆さまの顔と名前が一致し、そこでの仕事になじんできたと思うころに次の病棟に移るので、「はじめまして」「ありがとうございました」の繰り返しの日々でした。またその間、病棟の皆さまには月替わりで来る研修医を快く迎えてくださり、暖かく時に厳しい指導もしていただき、貴重な経験・勉強をさせていただきました。この場をお借りしてお礼申し上げます。また研修医とも快くお話していただき、診察させて頂いた患者様にも大変感謝しています。
私自身は今まで特に丈夫というわけではありませんが、大病なくここまでやってきました。また大学でも教科書や講義の上での知識しかありませんでした。しかし、実際の患者様と接するようになって病気での苦しみ・痛みを知り、病気ってこんなにつらいんだというのを実感しました。自分はまだまだ駆け出しで患者様の期待に応えることも、先生方をはじめ職員の方々の力になることもおぼつかない状況です。こんな自分ですが、一日も早く多くの方の力になれるように頑張っていきたいと思いますので今後ともよろしくお願いします。

思いやりのある医師を目指して



研修医 太田好穂(おおた よしほ)
はじめまして。私は今年の4月より研修を行わせて頂いています。研修が始まって約半年が経ちますが、とても充実した毎日を送れていて時が過ぎるのがものすごく早く感じています。4月当初は何もかもが新しく、不安な気持ちがとても強かったのですが、上級医の先生方や研修医の先輩の先生方、その他たくさんの医療従事者の方々が親切に教えてくださり、何不自由なく研修が行えており本当に感謝しています。ほんの数ヶ月であってもいろいろな先生や医療従事者の方々や患者様に出会い、優しさに触れ、たくさんのことを学ばせてもらっています。みなさんから受けた優しさに恩返しができるよう、患者様はもちろんのこと共に働く医療従事者の方々にも思いやりのある医師を目指して一生懸命頑張っていきたいと思います。自分に厳しく人に優しい医師を目指します。これからもどうかよろしくお願い致します。