グローバルナビゲーションへ

本文へ

ローカルナビゲーションへ

フッターへ


ホーム  > 病院だより・道しるべ  > 道しるべ Vol.36

道しるべ Vol.36

救急車が到着すると、スタッフ一同が万全の体制で処置にあたります。


磐田市立総合病院の救急医療



第2医療副部長 田ノ井千春
現在、救急医療施設は1次(初期) 救急医療、2次救急医療、3次救急医療と各施設に分かれています。

1次救急医療とは歩いて、あるいは自宅の車で来院できるような比較的軽症な患者様を診療する医療施設で磐田地区で磐田市夜間急患センターや医院、診療所がこれにあたります。
2次救急医療施設は入院し治療が必要な方を診療する施設、
3次はさらに高度な診療を行う救急救命センターなどです。

3次救急診療施設は静岡県西部地区では県西部医療センターと聖隷三方原病院の2施設です。

当院は2次救急医療施設であり、1次救急医療施設において診療の後、入院治療が必要と判断された救急患者様あるいは重症の患者様を診療する施設です。救急医療はシステム医療と言われ磐田市立総合病院だけで磐田市の救急医療が成り立っているわけではありません。

人が病気、外傷で倒れ傷ついた時、まず近くの人が救急車を呼び応急手当をするところから始まります。救急隊による処置が行われ医療機関に搬送されますが、状態によっては現場での処置が生死を左右することもあります。心臓が停止している患者様の対応に際して救急隊は病院医師に電話で判断を求め、特定医療行為といわれる救命処置を医師の指示にて行います。救急隊との連携は重要であり日頃から検証会や実習等を通して、より緊密な関係を構築しています。

また当院では小児の急患に対応するため第2、第4日曜日午前10時から午前12時まで磐田医師会と連携して地域連携小児休日診療を行っています。一方で救急診療に問題も生じています。全国的な傾向ですが最近、軽症の方や緊急でない方で救急外来を受診される方がいます。本当に救急処置を要する患者様の診療に支障をきたす事もあります。夜間、休日の比較的症状の軽い患者様は1次救急医療機関である夜間急患センターや急患救急在宅医をまずご利用下さい。

救急外来は緊急処置を要する方、重傷な方の治療を優先的に行います。救急外来診療にご理解をお願いします。

今後も当院としては医師会、救急隊と連携をより緊密にして、磐田市の救急医療に貢献できるよう救急医療体制のさらなる充実を図っていきます。

日本型三次救命救急センターとER型救急



救急外来科長 松井直樹
救命救急センターは、戦後発達したモータリゼーションとそれに起因する高エネルギー外傷、多発外傷に対応する施設として昭和39年より告示が始まった救急病院が原型とされます。昭和50年頃から内因性疾患による疾病救急患者の増加、その「たらい回し」が社会問題となり昭和52年から厚生省が現在の三次分層の救急医療体制を整備し始めました。重症患者最後の砦となるよう位置づけられたのです。

このような歴史から、現在の医療需要に対し既存の三次救命救急センターは様々な問題を抱えています。一見軽症そうにみえる自力来院患者の中にまぎれこむ重症患者に素早く対応できないこと、院内で独特な位置づけになってしまいがちなこと、の二点が大きな課題かと思われます。

自力で受診したり、救急隊要請があっても軽症と判断された患者が実は極めて重症であった場合、初療に当たった施設から再搬送、場合によっては再々搬送が必要となり、その搬送と搬送判断に費やされる時間が患者を失うことにつながることがあります。いわゆるpreventable death(避けられる死)の発生です。

自己資源ですべての処置や手術、その後の集中治療まで行なう救命救急センターは「三次」患者の治療にこだわるがゆえ、「院内分院」のような位置づけとなってしまうことがあります。ある病院の夜間救急室からその病院併設の救命救急センターへ「ホットライン」で患者収容を要請する、といった笑えない実話も存在します。

こうした問題点、反省から北米型救急医療システム(ER型救急)が注目を浴び、導入をはじめた施設が生まれてきましたが、現在は日本型救命救急センターとの比較検討が始まったばかりです。ER型救急の特徴はERで働く医師は患者の診断と初期診療、advanced triage(受診専門科の選定)に特化した業務を行なうことです。入院患者は受持たず、入院加療が必要とされれば各科専門医に患者の治療を引き継ぎます。これまでの日本の医師勤務形態とはかなり異質であり、既存の診療科と軋轢(あつれき)が生じているケースも既に報告され始めています。これまでER型救急医・ER型総合診療医という専門性が存在しなかったため、指導カリキュラムが乏しく、ロールモデル(見本となる先輩)も極めて数少ないことも問題点として挙げられています。

さて、これまで救命救急センターは人口100万人に一施設を目標に整備され、全国に189施設認可されています。全国的には目標がほぼ充足したもののその配置に偏在が見られます。このため、3年ほど前から厚生労働省は「規模を縮小し従来型救命センターを補完する」目的で、おおよそ二次医療圏(人口50万人前後)に一ヶ所程度、「新型救命救急センター」の整備を開始しました。

磐田市は中東遠二次医療圏に位置し、人口は17万人余、同二次医療圏人口は約50万人弱です。当院は年間3万人弱、5千台前後の救急搬送の患者を収容しています。この内、三次救急に分類される重症者は500~800人程度と考えられます。当院はこの数の救急患者を内科系一系統、外科系一系統の二診体制で診療し続けてきました。これは実は「驚異的な数字」であり、システムとしては限界を超えているということを市民の皆さまにもまず認識していただきたいと思います。

当院の救急医療は、医療の「コンビニ化」とも表現される24時間対応を求められる一方、地域中核病院として「専門性」も合わせて要求される、という厳しい環境にあります。その中で「ER型救急をひな形とした新型センター」の準備を進めていくという方針も出されています。利用される市民の方々には病院理念である「思いやり」を基本とし、提供する側がいたずらに疲弊するだけではない仕組みを整備していくことが、地域の救急医療を維持していく上で重要な課題かと思われます。

はい、救急室です



看護師 小澤里美
新しい救急室になり2年が経過しようとしています。しかし皆様にはあまり馴染みのある場所ではないと思いますので、簡単にご案内してみたいと思います。

昼間の救急室は救急車で来院される患者様の受け入れを担当させて頂いています。救急車での来院患者様の病気・病状は様々です。具合の悪い方になると、全身から噴き出すような冷汗をかき会話もできない方、息も絶え絶えにやっとのことで運び込まれた方、七転八倒の痛みで救急隊の運ぶベットの上で抱えられるように入室される方、事件・事故により瀕死の重傷を心と体に受けた方…救急隊からの連絡が入ると救急室が緊張感に包まれます。救急隊からの限られた情報の中、予想される事態に向けて受け入れ準備が進みます。到着した救急車内から搬送される患者様・家族の方々は気が動転してその症状をうまく言葉に出来なかったり、具合が悪くてそれどころではなかったり、会話不能…既にそれを通り越して意識不明…etc。困難な状況の中、患者様の体から出されたSOSの信号をキャッチすべく、速やかな検査・治療が同時進行で行われます。「一刻も早く元気な体を取り戻すために…」私たちは一分一秒を争う救急患者様を目の当たりにする度に、思いを強くします。元気な姿で退院の日を迎えられる事を期待して、エビデンスに基づいたケアが提供できるよう日々心掛けています。

夜間・休日の救急室では救急車での来院に加え、時間外診療の患者様も担当させて頂いています。現在当院の時間外診療では、内科系医師1名・外科系医師1 名での診察を行っており、後日改めて専門医による診察を勧めています。やむを得ず生命危機に直面している重症患者様への対応を優先してしまう救急室では、我慢に我慢を重ねて受診された体調の優れない患者様がじっと診察を待つ姿、疲れに耐えかねて眠ってしまう姿を見るにつけて、もう少し早く受診されていればと思う場面がいくつもあります。どうぞ我慢なさらず早めの受診をお勧めします。かかりつけ医や日中の専門外来への受診で、御自身、又御家族の体・不安や悩みを相談することにより、より専門的な質の高い医療が受けられることと思います。また、夜間・休日に電話相談を受け付けている窓口(静岡こども救急電話相談・磐田市夜間急患センター他)もあり、大切な御自身と家族の為にこれらを上手に活用して病気を乗り切って頂けたらと思います。

救急室に来院された患者様のその後に関わることはできないのですが、救急車で来院された患者様から、帰宅される際にお貸しした病院のパジャマとともにお礼の手紙を送っていただいた事があり、ご丁寧な内容にお電話をさせて頂きました。不在のご本人のかわりに奥様から元気になられた様子を伺う機会が持て、救急室のスタッフ一同とても嬉しく思いました。緊張感に包まれる救急室でのホッとした瞬間でした。

今後も突然生命に関わる状態に陥ったその時に支えになれる、頼りになる救急室であるようスタッフ一同頑張っていきますので、皆様応援して下さい。

お知らせ(使用料及び手数料の改正)

平成19年1月1日から、市立総合病院の使用料及び手数料の一部が改正されます。今回の改正は、診療報酬の改定を受けての業務の見直しや、周辺病院との患者負担の不均衡を解消するものです。皆様のご理解とご協力をお願いします。

改正内容

1.セカンドオピニオン診断料
他の医療機関を受診された方が主治医から示された治療方法について、当院の専門医の意見や診断を聞き比較して、治療方法を選択していただくものです。当院では、外来の診察時間とは別の時間枠で予約により専門医が対応していくもので、この場合の経費として新たに料金設定をしました。

2.乳幼児・母親・妊婦健康診断料
出産前後に実施する健康診断に係わる費用ですが、周辺病院との格差是正のため、また、病診連携を推進していくため見直しました。

3.分娩に係わる経費
分娩数の増加に伴いより多くの方に対応するための在院日数短縮や、診療報酬改正による周辺病院との格差是正のため見直しました。※正常分娩6日間入院時の経費は、改正後34~35万円となります。
項目単位改正前改正後
セカンドオピニオン診断料1回-10,500円(新設)
乳幼児健康診断料1回3,150円4,200円
母親健康診断料1回3,000円4,000円
妊婦健康診断料(初診)1回3,000円4,000円
妊婦健康診断料(再診)1回2,000円3,000円
分娩にかかわる経費自費診療:1点につき10円自費診療:1点につき15円

お問い合わせ

市立総合病院医事課
電話38-5000