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道しるべ Vol.33

福田・岩田・向笠等各地区と 病院を結ぶ磐田市の自主バスが運行しています。 通院等にご利用ください。


胃がんの診断と治療について



第2医療部長 米山文彦
胃がんは日本人に多いがんでその発生率は欧米諸国に比べ高く、胃がんの診断治療については日本が世界をリードする立場にあります。日本では胃がんの診断や治療、研究に携わる医療関係者が日本胃癌学会という組織を結成して活動を行っており、当院でも日常の診断のなかにその学会の情報を取り入れてより良い治療ができるよう勤めております。日本胃癌学会では標準的な治療のガイドラインを作成しておりこれに沿って胃がんの診断治療について少し述べてみます。

胃がんの治療

胃がんの症状は腹痛、胃部不快感、食欲不振、吐血などがありますがいずれも胃がん特有なものではなく早期のうちは無症状のことが多いので、自覚症状の有無にかかわらず定期的な診断が望ましいといえます。胃がんの検査はX線検査、内視鏡検査(胃カメラ)などを行いますが小さな病変の発見には内視鏡検査のほうが優れています。がんが疑われたときには確定診断をつけるため、病巣から組織を採取して検索します。また、がんと診断されたときには転移の有無を調べるため腹部のCT検査や超音波検査などを行います。

胃がんの進行度(病期)

治療法の決定のうえで重要なことはその人のがんがどの程度進行しているかです。胃がんは壁深達度(粘膜より発生したがんが胃壁のどの深さまで浸潤しているか)、リンパ節転移の程度、リンパ節以外の臓器への転移(肝、腹膜など)の有無によりIからIVの病期に分けられます。Iの中でもIA病期が最も早期であり、IVが最も進行したがんということになります。

胃がんの治療法

胃がんに対する治療法は開腹手術が一般的ですが、リンパ節転移の可能性のないと考えられる一部の早期がんに対しては内視鏡を使ってがんを切除することも行っています。通常の胃がんの手術では全身麻酔下に開腹し胃の出口の方2/3を切除し(幽門側胃切除)、転移が起きている可能性のある胃周囲のリンパ節を一緒にとります(リンパ節郭清)。胃がんの位置が胃の入口に近い場合には胃の全摘術や入口の方の胃を切除する術式(噴門側胃切除)を選択します。また病期に応じ拡大手術や機能温存を目的とした縮小手術も行っています。
抗がん剤は手術につぐ第2の治療法ですが、手術で切除可能な患者さんに対して抗がん剤治療を単独で行うことはありません。手術の補助的な治療として術前や術後に抗がん剤治療を行ったり、手術で根治不可能な進行がんや再発がんの治療に用いられます。

胃がん術後の食生活

胃切除後に残った胃は再生し元どおりになるわけではありませんので一度にたくさん食べられなくなります。ゆっくりよく噛んで食べる、一日の食事回数を増やす等の工夫は必要ですが、手術後に栄養の状態が悪くなるほどの変化が出ることはまれです。当院では術後に栄養士が食事指導を行い、退院後も必要に応じ相談に乗っています。

胃がんの再発

胃がんの再発は肝臓・肺などの遠隔臓器転移、リンパ節再発、腹膜播種などとして現れてきます。これらを診断するために術後、定期的に血液検査やCT検査などを行いますが、現在のところ比較的早期に再発を発見しても、それを完全に治すことは一部の例外を除き大変難しいといえます。

胃がんは治る病気になりつつありますがある境界を超えると恐ろしい病気です。当院では診断と非手術的治療を担当する消化器医師と手術的治療を担当する外科医師が全員で検討会を行い、胃がん治療ガイドラインをもとにして個々の患者様の年齢、状態等を考え合わせたうえで治療方針を決定しております。昨年一年間では約70例の胃がん患者様の手術を行いました。胃がんについてわからないこと等ありましたらご遠慮なくお尋ねください。

はじめまして

泌尿器科科長 水野卓爾
皆さん初めまして、今年の7月から当院に勤務させて頂いています。当初よく聞こえた蝉の声が今では秋の虫の音に変わり、日中も過ごしやすい季節になってきました。混雑した浜松市街を抜けて天竜川を渡り青々とした美しい茶畑に囲まれたこの病院を初めて見た時は、真新しく巨大な建物、最新鋭で充実した設備の数々に圧倒されました。勤務したての頃は、パソコンの操作(これがないと薬の処方、検査の指示、検査結果の確認などが始まらない)に特にとまどいながら悪戦苦闘してきましたが、最近ようやくなんとかスムーズに使えるようになってきた気がします。

しかしながら、どんなに建物や設備が立派であってもそれだけでは何にもなりません。これを使う医療従事者がしっかりしていなければ、病める人を治し癒し得ないでしょう。医療従事者の一員である私も、よりよい診断治療を行うために必要な知識を得て技術を高めるよう日々研鑽し、そして何より患者様の気持ちを大切にした医療を行なっていくよう努力していく次第であります。

この、患者様の気持ちということについてもう少し詳しく述べたいと思います。病院にかかるのは、何かしら身体のことで困っている時だと思います。痛い苦しいなど自覚症状がある場合、あるいは健康診断で異常があると言われたなど自覚症状のない場合など状況は人によって様々だとは思いますが、とにかく全くの健康体であれば誰も病院に行こうとは考えません。医学は絶えず日々発展していきますが、私はこのような患者様の気持ちにこたえることが医療の原点ではないかと考えています。

これからも泌尿器科に受診される患者様を暖かくお迎えして、最適最良の医療を受けて頂くよう心がけていきますので、よろしくお願い致します。

慢性甲状腺炎=橋本病とは

内科非常勤務医師 長野功
橋本病はもっとも有病率の高い自己免疫疾患で、その抗体陽性率は10-12%位と非常に高いと言われています。また約2:1で女性に多いといわれています。その内の1-2人が将来的(一生を終えるまで)に甲状腺機能低下症に至ると考えられています。自己免疫性疾患とは、本来は外来物質(細菌やウイルスなどのばい菌、ゴミ)から体を守っているはずの免疫システムが異常をきたし、自分の臓器を誤って攻撃してしまうようになる病気の事です。その攻撃する臓器によって病名が変わってくるという事になります。多くの自己免疫性疾患で抗体(抗体とは普段は自分を守るために白血球が出すミサイル、或いは悪いものを食べてくれる貪食白血球に、これは悪いものだから食べなさいという標識のようなものと考えてください)が見つかっています。橋本病ではホルモンを造る酵素と、甲状腺ホルモンの一つの前に物質に対する抗体が見つかっていて、ほとんどの橋本病でどちらかの抗体が陽性となります。甲状腺機能低下症の原因のほとんどが橋本病です。橋本病の抗体があっても多くは、甲状腺機能は正常で、治療の必要はありませんが、半年或いは一年に一度は、甲状腺機能の測定をお勧めします。甲状腺機能低下症の初期は、脳底部にある下垂体から甲状腺刺激ホルモンが余分に分泌され、甲状腺ホルモンを正常に分泌させるために症状はありませんが、甲状腺刺激ホルモンが過剰に甲状腺を刺激するために甲状腺ホルモン分泌細胞以外の甲状腺内の構築細胞なども刺激するために甲状腺を大きくさせたり、良性の腫瘍でも大きくさせたりするために、甲状腺ホルモンを補充して甲状腺刺激ホルモンを正常範囲に保っておく必要があります。
甲状腺機能低下症が進行しますと、基礎代謝が低下し、太りやすくなります。高脂血症を高率に合併し、また血圧が低めになり、上と下の血圧の差(脈圧)が小さくなり、脈は遅くなります。それから体がしんどくなり、ふくらはぎなどが腫れたりします(粘液水腫といいます)。精神的には鬱傾向となります。また、重症になると筋肉が腫れたり、心筋が肥大したり、心不全や心臓の周りに水がたまったりします。甲状腺ホルモンは生きていくのに不可欠なものです。甲状腺機能低下症の方は、必ずホルモンを補充して正常範囲に保っておかなければ、命を縮めることにつながります。上記のような症状のある方は、一度は甲状腺ホルモンと橋本病の抗体の検査を受けられる事をお勧めします。

お知らせ(使用料及び手数料の改正)

1月1日から、磐田市立総合病院の使用料及び手数料の一部が改正されました。今回の改正は、法令の趣旨に基づき患者間の負担額の不均衡を是正するものや、他病院と比較し低額なもの及び他病院に倣い新たに設定するもの等です。皆様のご理解とご協力をお願いします。

改正されるもの

1.特定初診料
当院の目的としては、急性期病院として高度特殊医療の提供や救急医療など地域の医療機関を支援する役割を担うこととしており、病院と診療所の機能分化の更なる促進が必要と考えており、通常は近くの「かかりつけ医」で受診していただき、緊急時や「かかりつけ医」の紹介により専門的検査及び入院加療が必要な場合に、当院を利用していただきたいと思います。

また、紹介状を持参する方としない方の負担に逆転現象がみられることから、紹介状を持参しない方からいただいています特定初診料を1,050円から2,630円に引き上げさせていただきます。
2.個室料
病院の療養環境向上に努めているところですが、テレビが液晶化され、インターネットへの接続が可能になります。設備面でも他病院の同等の個室と比較して見直しました。
項目単位改正前改正後
個室料個室A1日5,250円7,350円
個室B1日3,675円5,250円
2床室A1日1,575円3,150円
2床室B1日1,050円2,100円

3.分娩入院料
平成7年の診療報酬改定による入院料を準用してきましたが、お産以外で入院されている方と比較し、料金が安すぎるので、これを解消するため見直しました。分娩時入院料に含んでいた食事療養費と病衣貸与料も、別に請求させていただきます。これにより他病院と同等の入院料となります。
改正前1日:16,120円食事療養費、病衣貸与料を含む
改正後初日:17,310円
2日目以降:16,710円
食事療養費:1日につき2,170円
病衣貸与料:1日につき70円
参考:正常分娩7日間の場合、現行29~30万円→改正後32~33万円

4.新生児介補料
新生児の沐浴や調乳などの介補に係る経費を、他病院と比較し見直しました。
改正前1日:4,000円
改正後1日:5,000円

5.乳腺マッサージ料 (新設:1回3,150円)
乳腺炎となった際に、主に助産師が行うマッサージに係る経費を設定しました。
6.死後処置料(新設:1回5,250円)
亡くなった方に、看護師が行う死後処置や死化粧に係る経費を設定しました。

※5及び6については、他病院ではすでに設定されています。