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道しるべ Vol.29

誰もが健康であるために
当院では『やさしい健康教室』と題して、どなたでも自由に気軽に参加のできる教室を開催しています。医療の最先端の情報や知っているようで知らない病気、その他医療に関するさまざまな情報を学習できると同時に自身の健康増進にもつながっていくものです。皆様のご参加をお待ちしております。


安全で安心できる医療を提供するために



副病院長 犬飼政美
最近、新聞やテレビなどで医療事故に関する報道が取り上げられることが大変多くなりました。当院でも薬剤投与過誤による医療事故が大々的に報道されたことは、まだ記憶に新しいところです。そこで今回は、当院での医療安全対策、事故防止対策への取り組みについてご紹介いたします。

院内には医療安全管理部門が設置されており、ここのスタッフが中心となって、院内で起こったヒヤリハット報告や事故報告を取りまとめ、各部署のリスクマネージャーで構成された医療安全推進者会議において、院内のヒヤリハット・事故報告と他施設で起きた医療事故などについて分析をし、その対策の立案を行っています。ヒヤリハットとは、「危うく間違えそうになった」、「もう少しで事故を起こすところだった」など、職員が仕事でヒヤリとしたりハットしたりした体験のことです。これを報告書にして提出することを全職員に推奨する院内報告制度をとっており、この報告書をヒヤリハット報告とかインシデントレポートと呼んでいます。ここで話し合われた内容は、病院長直属の医療安全管理委員会にはかり、事故防止対策が実施されることになります。こうした取り組みを真摯に行うことが、院内業務の見直しと改善のきっかけとなり、事故防止につながる組織の構造改革をもたらして医療安全の向上につながるものと確信しております。

しかしながら一方では、「人は間違えるものである」という厳然たる事実があります。どんなに注意しても、どんなに素晴らしい対策を立てて実行したとしても、リスクがゼロになることはありえないのです。すなわち医療事故を完全に回避することはできないという事実があるのです。医療安全の目的は、事故を未然に防ぐべく活動することですが、もし不幸にして事故が起きた時には、最善の事後対応を行うことが重要となります。それにはまず患者様の治療が最優先されなければなりません。治療に全力を尽くすことがもっとも重要であります。次に、事実関係を明確にすること、誤りがあれば謝罪すること、そして再び同じことを起こさないようにすることです。こうした、隠さない、嘘をつかない、事実を誠実に説明する態度によってのみ、医療の倫理性や透明性が確保されるのであり、証拠隠滅やカルテ改ざんなど絶対に行ってはならない行為であります。

今後は、職員の教育研修、人材の育成、人的資源の確保に力を注ぎ、患者様やご家族に対して、積極的な医療情報の提供、インフォームドコンセント(説明と同意)、情報開示、セカンドオピニオン、自己選択権の尊重などをもとにした医療を行い、質の高い、安全で安心な医療を提供できるよう、努力する所存であります。

健康診断の功罪と今後の課題



放射線技術科技師長 安間武
大正10年(1921年)の調査によると、日本人の平均寿命は男性42.1歳、女性43.2歳でしたが、現在の日本人男性の平均寿命は76歳に、女性は84歳にまで延びました。磐田市立総合病院の役割のひとつに住民健康診断があります。病気に罹ると痛かったり苦しかったり日常生活が出来なくなって本人も苦痛を味わいますが、家族に対しても精神的にも経済的にも苦労や心配を掛けることになり、職場にも迷惑をかけることになります。そこで病気の自覚症状が出る前に健康診断で早く見つけて早く治療しましょう。というのが健康診断の目的です。

健康診断の利益の第一は、なんと言ってもがんや生活習慣病を早期に発見し病気が重篤になる前に治療することです。第二は、自分の健康状態や生活習慣に関心を持っていただき、検診結果に異常がなくても、問診の結果から生活習慣や食生活に問題点があれば改善することで、健康な社会生活を送ることができる点です。

健康診断の不利益の第一は、検診結果に異常がなければ現状の生活習慣や食生活が間違っていないと過信することです。

第二は、健康診断や各種のがん検診を受診してもすべてのがんや生活習慣病が100%発見されるわけではありません。残念ですが、どのような検査を行っても100%正確に診断することはできません。

第三は、「健康診断の結果、精密検査が必要です。」と言って受診者の方への精神的な不安感を与えることです。

がんや生活習慣病にはなりたくないと考えている人は健康診断の功罪をよく理解して上手に利用してください。

今後の課題は以下のとおりです。
1.受診率の向上
日本は肺がん、胃がん、子宮がん、乳がんなどがん検診受診率が低く、数%?20%程度です。受診率が30%を超えないとがん検診による死亡率の減少に寄与しないといわれています。

2.受診者の方への情報提供と個別指導
1回ではなく、数年の検診結果から受診者個々の個性を考慮した個別検診と生活指導や追跡調査を行う必要があります。

3.健康診断の精度管理
健康診断、各種がん検診の有効性をさらに高めるために各種検査の厳重な精度管理を実施する必要があります。

4.健康診断から精密検査さらに治療までのサービス体制の構築
健康診断後の精密検査から治療施設の紹介まで受診者個々の便宜を図るサービス体制が要求されています。

※夢のPET検診 :positron emission tomography
PET検診(ポジトロンCT)は脳や心臓の機能評価、さらに全身のがんの検索が高い精度で診断可能なことから夢の診断装置として注目されています。
今後とも私たちは健康診断、各種がん検診の意義や有効性とともに検診の限界や合併症などについても説明し十分理解して頂き、より多くのみなさまに精度の高い検診を安心して受診していただけるよう努力してまいります。