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乳腺外科

科の特徴

周辺の総合病院やかかりつけ医と連携して乳腺疾患の診断治療を行っています。定期的に多職種の参加する乳腺カンファレンスを開催し、情報の共有と診療の向上を図っています。
非触知早期乳がんの診断精度を高める努力をしています。
隣接する健診センターは超音波併用乳癌検診の臨床試験(J-START)に参加しており、 マンモグラフィ及び乳房超音波画像の読影資格を有する医師が精密検査の必要性の有無を判定します。検診で要精査となった場合や、 乳腺のしこりや乳頭分泌などで来院された患者様に対して視触診、断層撮影 (トモシンセシス)機能を有してより正確な診断が可能なマンモグラフィ装置、高機能超音波診断装置、 必要に応じて3テスラ超高磁場MRI装置による精密検査、乳管造影、細胞診、針生検、マンモトーム(吸引式組織生検)を行います。病理組織学的診断は病理専門医が行います。

最近は生涯で女性の11人に1人は乳がんにかかるといわれ、2016年のがん統計予測では年間約9万人が乳がんと診断され、約1万4千人が亡くなられています。30~60歳代では死亡原因の1位です。 発生を予防する方法はありません。多くは乳管内に発生し、1個のがん細胞が触知可能な大きさ(1~2cm)になるには10年以上かかるとされ、 画像検査を行うことで触らない時期のがんを拾い上げるチャンスは増えます。
乳管内のがんに分泌液中のカルシウムが沈着し、マンモグラフィで特徴的な石灰化として認められ、がん発見の手がかりになることがあります。
40歳未満や授乳中などでマンモグラフィによる診断が難しく、超音波検査が適当な場合があります。 乳がんはいつか必ず自分で発見できる状態になりますから月1回の自己検診は重要です。乳房の一部が硬いなど症状があれば健康保険を利用して病院で検査を受けてください。
がん検診受診率が50%となり早期治療に結びつけば死亡率は4%低下するといわれます。H23年度磐田市の受診率は約37%です。検診にお知り合いを一人誘って受診率を2倍にして、 女性の命が少しでも救われるようにご協力ください。

おもな乳腺疾患について(患者さんのための乳がん診療ガイドラインより引用)

乳腺症
乳腺症は30~40歳代の女性に多くみられる乳腺良性疾患です。主な症状としては硬結、疼痛(乳房痛)、異常乳頭分泌が挙げられます。 乳腺症には、主として卵巣から分泌されるエストロゲンとプロゲステロンというホルモンがかかわっており、閉経後に卵巣機能が低下するとこれらの症状は自然に消失します。
硬結は、片側あるいは両側の乳房に大きさが不揃いの境界不明瞭な平らで硬いしこりとして触れることが多く、月経前に増大し、月経後に縮小します。 硬結部は何もしないでも痛むか、押さえると痛むことが多く、この痛みも月経周期と連動します。乳腺症に伴う異常乳頭分泌の性状はサラッとした水のような漿液性、 乳汁様あるいは血性などさまざまです。漿液性あるいは乳汁様の場合にはほとんど問題はありません。血性乳頭分泌がみられた場合には、 乳腺良性疾患の一種である乳管過形成や乳頭腫である頻度が高いですが、乳がんが隠れている可能性もあるので詳細な検査が必要になります。 月経周期と連動するしこりや痛みはあまり心配する必要はありませんが、月経周期に関係のないしこりに気づいたら病院を受診してください。

乳腺炎
乳腺炎とは、乳汁のうっ滞(滞り)や細菌感染によって起こる乳房の炎症で、赤く腫れたり、痛み、うみ、しこりなどがみられます。 特に授乳期には、母乳が乳房内にたまり炎症を起こす、うっ滞性乳腺炎が多くみられます。乳頭から細菌が侵入すると、化膿性乳腺炎となって、うみが出るようになります。 症状を改善させるために、皮膚を切開してうみを出しやすくする処置が行われることがあります。
一方、授乳期以外に、乳房の広い範囲に乳腺炎が起こることもあります。 原因はよくわかっていませんが、乳房の中にたまった分泌液にリンパ球などが反応してできるのではないかと考えられています。
また、乳輪下にうみがたまることがあります(乳輪下膿瘍といいます)。これは陥没乳頭の人に起こりやすく、治りにくい乳腺炎で、ときに手術が必要になる場合があります。 これらの乳腺炎は乳がん発症とは直接関係ありません。
ただし、痛みがないのに乳房が腫れる場合は、まれに炎症性乳がんといって炎症症状を呈する乳がんであることがありますので、 このような場合には病院を受診してください。


乳腺線維腺腫
乳腺線維腺腫とは乳房の良性腫瘍で、10歳代後半から40歳代の人に多く起こります。ころころとしたしこりで、触ってみるとよく動きます。 マンモグラフィや超音波検査などの画像検査や針生検で線維腺腫と診断されれば、特別な治療は必要なく、乳がん発症とは関係ありません。
閉経後にはしぼんでしまうことが多いのですが、しこりが急速に大きくなる場合は、局所麻酔下で切除することもあります。

葉状腫瘍
初期のものは線維腺腫に似ているものの、急に大きくなるのが特徴です。ほとんどは良性ですが、なかには良性と悪性のボーダーライン上のものもあり、 再発を繰り返すうちに悪性化する場合もあります。治療の原則は、病変を取り残すことなく包むように切除することですが、乳房全体を占めるほど大きな場合は、 乳房切除術が必要になります。

乳がんの治療について

乳がんと診断された場合その拡がりを正確に診断して治療方針を決定し、乳がん診療ガイドラインに沿って手術もしくは放射線による局所治療と、 ホルモン療法、分子標的療法、抗癌剤治療といった全身治療を組み合わせて治療していきます。
手術は根治性を損なわないことを原則とした上で可及的に 乳房を温存する方針で治療にあたっています。
乳房形成や乳房再建に関しては当院形成外科に受診していただき、できるだけ患者様のご希望に沿って自家組織 もしくはインプラントによる再建を選択していただくようにしています。

乳房温存術

乳房を全摘出することなく、乳頭・乳輪を残して、がんを周囲の正常乳腺を含めて円状もしくは扇状に部分切除し、乳房の変形が軽度になるように形を整える手術です。

図:適切な治療を受けるために(リノ・メディカル社)より引用

この手術では乳がんが乳管内をどこまで広がっているかが問題となります。画像で確認できた範囲以上にがんが広く乳管内に広がっていると、 手術後の病理検査で切除断端にがんが認められる場合があり、そうした場合は再手術をご相談しなければならないことがあります。乳房温存術では、 がんが取りきれていても、温存した乳腺に術後放射線治療を必ず行う必要があります。放射線治療により温存乳腺にがんが再発する危険を減らすことができます。

胸筋温存乳房切除(乳房全摘)術

以下のいずれかに該当する場合は乳房温存療法が適応にならず、乳房切除術が行われます。

  1. 2つ以上のがんのしこりが、同じ側の乳房の離れた場所にある場合
  2. 乳がんが広範囲にわたって広がっている場合 (マンモグラフィで、乳房内の広範囲に微細石灰化が認められる場合など)
  3. 以下の理由で、温存乳房への放射線療法が行えない場合
    A)温存乳房への放射線療法を行う体位がとれない
    B) 妊娠中である
    C) 過去に手術した側の乳房や胸郭へ放射線療法を行ったことがある
    D) 強皮症や全身性エリテマトーデス(SLE)などの膠原病を合併している
  4. しこりの大きさと乳房の大きさのバランスから、美容的な仕上がりがよくないことが予想される場合
  5. 患者さんが乳房温存療法を希望しない場合

胸筋は残して、乳房を全部切除します。乳腺を全て切除しますので、手術側の胸部に再発する危険は少ないと考えます。 ただし、乳房温存術でも乳房全摘出術でも対側乳房に乳がんが生じることはあるため対側の経過観察は必要です。

図:適切な治療を受けるために(リノ・メディカル社)より引用

センチネルリンパ節生検

図:患者さんのための乳がん診療ガイドラインより引用

センチネルリンパ節生検とは、腋窩リンパ節の中で最初にがん細胞がたどり着くと考えられるリンパ節(センチネルリンパ節)を摘出し、 がん細胞があるかどうか(転移の有無)を顕微鏡で調べる検査です術後の腕のむくみ(リンパ浮腫)の危険を減らす為にセンチネルリンパ節にがんが認められなければ他のリンパ節を取らないようにします。
しかしリンパ節転移があれば、胸筋の裏側や腋窩のリンパ節を摘出します。

リハビリテーションについて

手術や放射線治療後の影響で、あるいは乳がんの症状として上肢のむくみ(リンパ浮腫)や関節可動域の制限などが生じることがあります。 術後診療計画にリハビリテーション指導を組み込んで、患者様が日常ご自分で行うことができるリハビリテーションを指導しているほか、 随時リハビリテーションが行える体制をとっています。

乳腺サポートチームについて

心理士・ケースワーカー・看護師・放射線技師・臨床検査技師・リハビリテーション科スタッフ・薬剤師・医師などから構成される乳腺サポートチームが、 特に乳がん患者様とそのご家族の抱えるこころの問題や社会的問題などに対してそれぞれの立場から支援をできるような体制をとっています。

治療成績

2000.1-2013.12 0~2B期 n=585

2000.1-2013.12 3A~4期 n=63

2000.1-2013.12 0~3C期 n=643

2012年2013年2014年2015年2016年
乳腺悪性腫瘍に対する根治術数649664106102
乳房温存術数(乳房温存率%)44(70%)63(66%)48(75%)61(58%)71(70%)
乳房再建に関する手術数77467
初回薬物治療中の新規乳腺悪性腫瘍数3341465541
そのほかの手術 37293762
マンモトーム生検数2014234040

スタッフ紹介

名前職名出身校取得年専門分野資格
後藤 圭吾乳腺外科部長 兼
小児外科部長
浜松医大平成1年乳腺外科
小児外科
日本外科学会認定医・専門医・指導医
日本乳癌学会認定医
マンモグラフィ読影認定医
乳腺超音波読影認定医
日本小児外科学会専門医
小児がん認定外科医
日本がん治療認定医
インフェクションコントロールドクター
伊藤 靖乳腺外科部長 兼
呼吸器外科部長
浜松医大平成2年乳腺外科
呼吸器外科
日本外科学会認定医・専門医・指導医
日本胸部外科学会認定医
呼吸器外科専門医
日本乳癌学会乳腺専門医
マンモグラフィ読影認定医
乳腺超音波読影認定医
日本がん治療認定医・暫定教育医
日本臨床腫瘍学会暫定指導医
乳房再建用エキスパンダー/インプラント基準責任医師
山下 貴司医長浜松医大平成21年呼吸器外科
外科
日本外科学会外科専門医